Freescale Semiconductorは4月8日、マイコンや他のシステムコンポーネントに電力を供給するとともに、システム全体のエネルギー消費を削減するシステムベースチップ(SBC)「MC33907/33908」2品種を発表した。
同製品は、同社の「Qorivva」シリーズなどの32ビットマイコンとシームレスに連動し、パワーマネジメントと通信機能に加え、多様な電力分割アーキテクチャの機能安全を統合した、拡張性に優れた電源ソリューションとなっている。さまざまなアプリケーションに固有の機能安全要件に対応するとともに、設計作業を簡素化し、外部コンポーネントの利用を最小限に抑え、全体の部品コストを削減する。
また、デュアルDC/DCスイッチングレギュレータアーキテクチャの効率性や、最小2.7V電源での低電圧動作を特徴とし、システムレベルで20%の省電力を実現する他、自動車でのクランキングパルスの発生などにより電源電圧が低下する場合でも、システムの稼働を維持する。さらに、超低消費電力モードおよびウェイクアップ機能によりシステム静止時の電流は最大で30μAまで削減されるため、システムスタンバイ時のエネルギー消費とバッテリ放電が抑制される。そして、電圧レギュレータは各種設定が可能なため、拡張性に優れたプラットフォームソリューションを設計して、自動車や産業のさまざまなアプリケーションの機能安全認証に対応することができる。
「MC33907/33908」の機能安全は、サードパーティの認証機関により実証されており、安全面のアーキテクチャとアプローチがセーフティアプリケーション向けのISO 26262 ASIL-Dの基準を満たしている。さらに、マイコン、センサ、アナログICの広範なソリューションセットに加え、トレーニング、セーフティドキュメンテーション、およびソフトウェアと技術のサポートなどが受けられる、同社の機能安全プログラム「SafeAssure」の対象製品となっている。
この他、システムの総合的な出力電流容量は2Aで、「MC33908」は最大1.5Aのコア電流を供給し、「MC33907」は0.7Aのコア電流を供給する。両品種とも、共通原因故障を削減するための統合および個別の安全手段に加え、ISO 11898-2-5に準拠する堅牢なCAN物理層と、シリアルペリフェラルインタフェースを装備しており、目的のマイコンの制御と診断を行うことができる。
なお、「MC33907/33908」は現在出荷中。価格は1万個購入時で、それぞれ2.49ドルと2.55ドルから。また、評価ボードの「KIT33907AEEVB」と「KIT33908AEEVB」は150ドル、マザーボードの「KIT33908MBEVBE」は350ドル、ドータボードの「KITMPC5643DBEVM」は150ドル、評価システムの「KIT908-5643EVM」は550ドルでラインアップされている。