東京・お台場にある日本科学未来館は4月8日、ドイツ連邦共和国の航空宇宙センター(DLR)と協力し、火星探査機「マーズ・エクスプレス」が撮影した画像を含む火星の地形写真を、前例のないスケールの高解像度3D画像で展示する巡回展示「火星の新しい視点 ~"マーズ・エクスプレス"がとらえた高解像度3D写真~」を4月15日から9月1日までの期間で開催すると発表した。

火星は太陽系において、太陽から4番目に位置し、地球よりもわずかに太陽から遠いため、生命が生存可能なゾーン(ハビタブルゾーン)よりも若干外側に位置している。しかし、その地形は高地、砂漠、火山、断層、峡谷、渓谷、クレーターなど地球と似通っているほか、季節と大気が存在することから、地球外で生命を探す第一の目標とされている。

2003年に打ち上げられた火星探査機「マーズ・エクスプレス」は10年以上にわたって火星の軌道から、地質や鉱物、大気の観測を行っており、中でも独製高解像度ステレオカメラ(HRSC)は、火星の地表を解像度約10mの3Dフルカラーで撮影することが可能だ。

今回の展示会では、火星の地形を数十億年にわたって形成してきた主要9過程(火山活動、水、氷、浸食、風、地殻運動、極地、堆積作用、衝突クレーター)の画像と、火星やその衛星の最新探査機に関するさまざまな情報をパネルや映像で紹介するというもの。

巡回展である同展示はこれまでにドイツ、オーストリア、国連本部、アメリカ、カナダ、日本(福岡・神戸)、タイ、シンガポール、イスラエルを巡回しており、のべ250万人以上が見学しているという。

なお、開催場所は日本科学未来館 7階ドームシアター前で、料金は無料(常設展は大人620円、18歳以下は210円)となっている。

火星探査機マーズ・エクスプレスのイメージ (C)MEX@Mars(C)ESA