ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発(以下、YSD)は4月4日、NECの画像認識技術を活用した検品支援システムを基に、YSDの物流・検品ノウハウや倉庫管理システム(WMS)との連携機能を付加したシステムを開発し、物流業界では初めて本格運用を4月から開始、年内に外販を開始すると発表した。

今回、運用を開始するシステムは、ヤマトグループの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」内にあるYSDの倉庫で出荷検品業務を行うラインに、画像認識技術を活用した検品支援システムを導入。顧客から出荷指示を受けた商品を作業員が準備し、同システムで検品することで、類似品の誤認識による出荷ミスの防止と、従来は複数の作業員が目視で行っていた検品時間の短縮を実現。作業時間と人員を削減することで、物流業務全体コストの約3割が削減可能となる。

システム概要図

検品支援システムは、作業台に設置したカメラで捉えた商品の画像と、NEC独自の画像認識技術を活用し、画像の一部の隠れ・はみ出し・反射・傾斜・湾曲を検出。予め登録した商品の画像情報を照合することで、商品の品目を特定し、作業台に設置した重量計で計測した商品の重量と、予め登録した商品の重量情報を照合することで、商品の数量を特定する。

また、YSDのクラウド型倉庫管理システム「倉庫/見える化@WEB」や、顧客が持つ倉庫システム等と連携可能で、検品支援システムにおける商品マスタや出荷指示データ、検品実績データとの連携が可能となり、よりスムーズな導入が可能となる。

現行は平面物の検品に対応しているが、立体物の検品も検討中。この画像認識技術と重量計を活用した検品支援システムの導入は自社における物流効率化の一環であり、YSDのすべての「物流アウトソーシングサービス」の拠点及びヤマトグループへの展開を進めるとともに、2014年度中を目標にNECと連携して各種業界への外販を開始するという。