サントリー美術館、朝日新聞社は、「のぞいてびっくり江戸絵画 -科学の眼、視覚のふしぎ-」展を開催している。開催期間は5月11日まで、開館時間は10:00~18:00(金・土、4月28日、5月4日、5月5日は20:00まで、4月19日は24:00まで)。会場は東京都・六本木のサントリー美術館。入場料は一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料。
同展は、顕微鏡や望遠鏡など、「視覚」に対する従来の常識を一変させる光学装置が海外からもたらされたのをきっかけに興った、江戸時代の新しい美術を紹介する企画展。小田野直武、司馬江漢、葛飾北斎、歌川広重らの作品とともに、実物の望遠鏡や顕微鏡、覗き眼鏡などを展示している(会期中に展示替えあり)。
たとえば、西洋の遠近法を使った「浮絵(うきえ)」や上空から地形を表した「鳥瞰図(俯瞰図)」、対象を自然科学の眼で捉えようとする「写生図」、障子などを通して見える影に注目した「影絵」、顕微鏡で観察したミクロの世界や水面などに映る映像に焦点を当てた絵画などが、江戸時代後期に集中的に描かれている。
なお、この視覚文化における大きな変化は、異国文化に大きな関心をもっていた八代将軍・徳川吉宗が、1720(享保5)年に漢訳洋書の輸入規制を緩和した結果、西洋の科学や技術、文化を研究する「蘭学」が盛んになったという背景による。