ページワン、ソフトバンク・テクノロジー(以下、SBT)は4月3日、共同で、東京工科大学の学内ICT環境をリニューアルし、業務システムのフルクラウド化を行うと発表した。新しいクラウドICT環境は、2014年春以降に提供開始予定となっている。
東京工科大学では、2003年から本格的なICT活用に取り組み、八王子キャンパス全教室・全席への有線LANポートとコンセントの設置、約7000人の在学生すべてにノートPCを必携とするなど、ICTを活用して学ぶための環境を整備していたが、システムや機器の老朽化に加え、モバイルネットワークの普及に伴う管理外の無線LAN環境の散見などにより、運用管理が煩雑化し、負荷が高い状態が続いていた。
そこで同大は現環境の課題解決に向け、ネットワークを含むキャンパスシステム全体の大規模リニューアルおよびフルクラウド化の検討を行い、これに対してページワン、SBTは共同で提案を行った。
業務システムは、既存のオンプレミスの全廃を目指し、日本マイクロソフトの提供するIaaS「Microsoft Azure」上に新システムを導入。季節変動性の高い学校業務に合わせた柔軟なパフォーマンス対応、課金体系を実現。クラウド環境を支えるネットワークは、米Ruckus Wirelessの製品により、キャンパス内すべてをカバーする大規模な無線LAN環境を構築した。
教職員向けのメールや予定表、OfficeなどのソフトウェアはOffice 365に統一し、ペーパレス化を図り、また、Dynamics CRMを導入しActive Directory及びSharePointの管理から、最終的には学生カルテへと展開を進めていく予定。その他、専門ベンダーのノウハウを活かした複数のクラウドサービスを組み合わせることで、フルクラウド化を実現している。
さらににMicrosoft Azure上に、各システムのデータを集約して分析することで、さまざまな付加価値サービスを提供する「中核DB」を構築。成績や出席率などを複合的に分析し、将来的には学生1人1人に合わせた課題設定など、細やかなサポートが可能。同大はこの仕組みにより、サービスの利便性を高めるための施策を積極的に展開していく予定。