STMicroelectronicsとWyplayは、STのARMベースSoC「Cannes/Liege2/Monaco/Orly」を搭載したオープンソースのセットトップボックス(STB)用ミドルウェア「Frog by Wyplay」の衛星放送対応リファレンスハードウェアを発表した。
「Frog」は、Wyplayのソフトウェアソリューションをベースに構築されており、デジタルテレビのエコシステム全体においてチップセットベンダ、機器メーカー、独立系ソフトウェアベンダ、ソフトウェアサービスプロバイダ、放送事業者などで利用可能な共有ソースモデルとなっている。Wyplayは「Frog」において、同社のソリューションを移植済みのST製SoCを搭載したハードウェアプラットフォームを提供する。同プラットフォームは、ターンキー実装のモデルケースであるとともに、ペイTV事業者向けにさらにカスタマイズすることもできる。
「Frog」は、SoC「Orly STiH416」を搭載したプロダクショングレードの衛星/IPTVハイブリッドデコーダに基づいている。さらに、このリファレンスハードウェアは、世界の大半のペイTV加入者向けのコンテンツ伝送技術として利用されている衛星デジタル放送方式DVB-S/S2に対応している。また、STのソフトウェア環境「SDK2」を利用して、このリファレンスハードウェアに移植され、「Cannes/Monaco」ファミリや「Liege2」など、STのブロードキャスト市場向けARMベースSoCに対するシンプルかつ自然な移行パスを示すという。
放送事業者は、このリファレンスハードウェアにより、信頼性が高く、統合された「Frog」環境を使用し、独自アプリケーションの構築が可能になるのに加え、開発を加速させることができる。また、多くのブロードキャストインフラ関連の設定が完了しているため、サービスの拡張に注力することができる。
なお、STからライセンスを取得した企業は、Frog CommunityのポータルWebサイトにて、STベースの「Frog by Wyplay」の発注が4月より可能になる予定。