富士通は4月1日、製造業のアフターサービス業務を支援する保守業務支援システム「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA ENTERPRISE Maintenance Management(GLOVIA ENTERPRISE MM)」の販売を開始した。「GLOVIA ENTERPRISE MM V1 M2M連携」と「GLOVIA ENTERPRISE MM V1 現地保守」があり、販売価格はいずれも800万円(税込)から。
GLOVIA ENTERPRISE MMは、富士通がサーバ製品などの保守で実践しているアフターサービス業務のノウハウを取り入れ、M2M、スマートデバイスなどのICTを活用し、センシングによる稼働監視やビッグデータの統計分析による故障予測、現地保守支援などの製造業のアフターサービスを高度化する業務支援システムだ。
富士通の製造業向け保守業務システム概要図 |
GLOVIA ENTERPRISE MM M2M連携は、「FENICSⅡ M2Mサービス」との組み合わせにより、機器の稼働監視業務を高度化する。特長は「センシング技術を活用した機器のリアルタイム稼働監視」と「ビッグデータの統計分析による故障予測」の2つだ。
センシング技術を活用した機器のリアルタイム稼働監視とは、稼働状況をアイコン、時系列グラフなどでグラフィカルにリアルタイムで可視化することにより、機器の故障や予兆を早期に検知するもの。また、機器ごとの稼働・故障履歴・対応履歴情報を一元管理し、分析することで機器の管理を高度化できるようになる。ビッグデータの統計分析による故障予測とは、従来の、人の勘や経験にもとづいた故障予測に代わり、センシング技術により収集した稼働情報を、分析・予測ソフトウェアである「FUJITSU Software Interstage Business Analytics Modeling Server」を用いて分析を行うことで、機器ごとに異なる故障タイミングを客観的に予測するもの。これにより、リスクの高い機器を優先して予防保守計画の立案ができる。
GLOVIA ENTERPRISE MM 現地保守は、基幹の保守業務システムとスマートデバイスを組み合わせ、保守作業員による現地保守作業の高度化する。特長は「スマートデバイス活用による保守作業の効率化」だ。
保守現場でも、スマートデバイスを活用することで、作業予定の確認、作業実績入力、モバイルプリンターへの作業明細書印刷、顧客の手書きサイン入力など、訪問先での保守業務に必要な全ての作業を実施することができるようになる。また、地図による作業場所確認や、作業実績に音声・動画情報が添付できるなど、保守業務の効率化が図れる。さらには、ダウンロード・アップロード方式を採用することで、電波の届かない場所でも実績入力が可能だ。
なお、富士通では、2016年度までに「GLOVIA ENTERPRISE MM V1 M2M連携」30本、「GLOVIA ENTERPRISE MM V1 現地保守」30本を販売目標としている。