本田技研工業(ホンダ)は3月28日、新交通管理システム(UTMS)の研究開発の一環として、栃木県警察、UTMS協会と連携し、4月より栃木県宇都宮市において信号情報活用運転支援システムの公道実証実験を開始すると発表した。
信号情報活用運転支援システムは、道路脇に設置された高度化光ビーコンから取得できる信号情報と、自車の位置や速度の情報を用いて、信号のある交差点での円滑な運転を支援するシステムである。前方にある交差点を青信号で通過できる場合には、推奨速度が車両のディスプレイに表示され、ドライバーはその速度を維持することでスムーズに交差点を通過できる。赤信号のタイミングに重なり通過できない場合は、ディスプレイにアクセルオフを促す表示がされ、ドライバーは早期に減速を開始することができる。さらに、信号待ちでの停止中には、赤信号の残り時間が表示され、発進の遅れを防止する。同システムにより、信号交差点を通過する際に不必要な加減速が減り、交差点事故の未然防止や、実用燃費の改善が期待できるとしている。
今回の実験では、同システムの実用化に向けた最終検証として、宇都宮市近郊5路線の実験路線を走行するホンダの従業員の通勤車両など、約100台を対象にシステムに対応する車載機を搭載する。そして、4月からおよそ1年かけて、安全に関わる急減速や急加速などの車両挙動の変化、CO2の低減や燃費の改善効果、交通流への影響を検証する。ホンダでは、このような大規模で長期的な公道実走の検証結果を研究開発に活かし、商品化を目指していくとコメントしている。