日本HPは3月27日、x86サーバの新製品として、Intel Xeon E7-4800 v2製品ファミリーを搭載する4ソケットの「HP ProLiant DL580 Gen8」など、新たに3製品を発表した。
発表したのは4ソケットx86サーバ「HP ProLiant DL580 Gen8」、現在販売中の4ソケット対応のラックマウントサーバ「HP ProLiant DL560 Gen8」と、ブレードサーバ「HP ProLiant BL660c Gen8」における、Intel Xeon E5-4600 v2製品ファミリーを搭載した新モデル。
「HP ProLiant DL580 Gen8」は、4U筐体で、プロセッサーには、15コア対応のIntel Xeon E7 v2シリーズを最大4基(60コア)搭載する。メモリ容量は、96個のDDR3 DIMMスロットに最大3TB搭載することができ、バンド幅は83GB/sに向上している。将来的には64GBメモリにも対応し、最大6TBまでメモリ容量を拡張することが可能。また、「HP ProLiantサーバー」としては初めて、12GB SAS SSDをサポートする。価格は226万2,000円(税別)。
HPでは、このサーバをビジネスアナリティクス、メールやコラボレーション、社会インフラなどのミッションクリティカル用途を中心に販売していく予定だ。
「HP ProLiant DL560 Gen8」と「HP ProLiant BL660c Gen8」の新モデルでは、Intel Xeon E5-4600 v2製品ファミリーを搭載したモデルを追加。これにより、両製品は最大48コアまでの拡張が可能となり、最大約35%の性能向上を実現するという。価格は「HP ProLiant DL560 Gen8」が91万6,000円(税別)、「HP ProLiant BL660c Gen8」が151万円(税別)。
日本HP HPサーバー製品統括本部 プロダクトマーケティング本部 本部長 宮本義敬氏は、「デルの非上場化やIBMのx86事業の売却など、x86サーバでは業界再編が起こっている。ただ、HPはx86事業をコア事業と考えており、新しいテクノロジーでお客にメリットを享受するのが我々の使命だと考えている」と、ハードウェアとしてのサーバ事業に今後も注力することを強調。
その上で、「ミッションクリティカル市場は、今後再定義される領域で、メールやコラボレーションなど普通のシステムでも信頼性が求められる。HPはそのためのラインナップ拡張を行っていく。本日の発表はその1つだ」と述べた。
同社が今回の新製品で強調したのは信頼性の向上。HPが考える信頼向上とは、サーバ自身のアベイラビリティ向上と、ダウンタイムを縮めるための外部連携機能強化だという。
新製品においては、アベイラビリティ向上はサーバ内蔵機能の強化で、外部連携機は、「HP Insight Online」の機能強化で実現している。
「HP Insight Online」では、HP ProLiant Gen8シリーズにおいて、万一の障害もしくは障害予兆発生時に、HPに自動通報する「HP Insight Onlineダイレクトコネクト」機能を「iLO Management Engine」の拡張機能として組込実装した。これにより、従来は必要とされたヘルスエージェント、通報ソフトウェア、通報用中継サーバの導入は必要なくなる。同社では、これにより中小企業におけるハードルを下げることができるとした。
さらに、1000台、10グループまでのデバイス同士が自動で通信し、すべてのサーバ上で同一グループのサーバの状態を参照できる、iLO連携機能も搭載された。
これらの機能は、Gen8シリーズであれば無償で提供される「iLO Management Engine」の最新ファームウェア(Ver.1.40)を適用することで実装できる。
また、同社は、2014年1月20日施行の産業競争力強化法に基づく「生産性向上設備投資 促進税制」への対応として、4月1日より、先端設備(A類型)の証明書発行のための申請受付窓口を開設し、また、申請にかかる費用を同社が負担するサービスを開始する。
宮本氏は、「中堅・中堅を中心とした経済施策『生産性向上設備投資促進税制』やエンタープライズ市場のビッグデータなどのミッションクリティテカル市場が活況を呈しており、今年はHPのx86サーバ事業はかなりのプラスになる」とサーバの販売に自信を見せた。