長年にわたりスーパーコンピューターをはじめとしたHPC(High Performance Computing)の世界をリードしてきたSGI。近年ではHPCで培った高い技術力と豊富なノウハウを生かしてビッグデータの分野でも市場をリードしている。

そんな同社のグローバルそして日本での販売戦略について、米国SGIのシニアバイスプレジデントでワールドワイドセールス担当のリズ・キング氏に話を聞いた。

グローバルで情報共有を進め、顧客の課題解決につなげる

米SGI株式会社
シニアバイスプレジデント
リズ・キング氏

現在、SGIは日本はもちろんのこと他のアジア地域そしてヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、オセアニアと、全世界に拠点を構えてビジネスを展開している。

当然ながらセールスチームも世界中で活動を行っているが、彼らのベストプラクティスやカスタマーエクスペリエンスといった情報はすべての拠点において横串で共有されており、他の国・地域のセールスチームにも活かせるようになっていると語る。

「そうすることで、グローバル全体でより強い企業を築いていくことにつながると考えている。 お客さまのニーズや目的、ビジョンというのは国や地域が異なっていても似ている部分は多い。

だからこそ、グローバルで情報共有を積極的に進めてセールススタッフの提案力、サポート力の向上に努めているのだ。 また、1つのグローバル企業のお客さまに対して、何ヶ国ものセールスチームが協力して対応することもよくあるため、当社のセールスチームにとってグローバルな情報共有というのはもはや欠くことのできない要素となっているのである」(リズ氏)

SGIの主要な取引先は、製造業や政府機関、教育研究機関、情報通信業、メディアといった業界であり、この傾向はグローバルでほぼ共通しているという。リズ氏は、そうした他業種にわたる顧客の声に耳を傾けることを何よりも重要視している。

「まずはお客さまから最新のニーズやビジネス上の解決すべき課題、プロジェクトのビジョンなどについて親身になって話を聞くことが大切だ。

そのうえで、そうした課題等を共有し、当社の製品を活用しながらアーキテクチャを開発して提供したり、あるいはソリューションを提供したりすることでお客さまの要件を満たしていくのである。

我々はプロとして、ソリューションやサービスを提供するとともにサーポートサービスも提供しているので、当社の製品を導入しているお客さまが永続的に素晴らしい経験ができるよう支援を行っていかねばならない。そのためにも、セールススタッフのスキルには、まずお客さまの環境を理解できることが求められるのである」とリズ氏は語る。

より高まる日本市場への期待

HPC、ビッグデータに続き、SGIが現在注力しているのが、データマネジメント・ソリューションの領域である。そのビジネスを拡大するために積極的な買収活動も展開している。

「今現在のお客さまや将来お客さまとなるであろう方々に対して、データマネジメント・ソリューションがもたらす価値を届けることのできる環境が整った」とリズ氏は言う。 ビジネスの拡大と合わせて、SGIのヘッドクオーターも、シリコンバレーにほど近い米国カリフォルニア州のミルピタスへと移した。

「新しい場所はこれまで以上にスタッフにとって魅力的であり、設備もさらに良くなった。 お客さまそしてスタッフの双方にとって刺激的な環境なので、お互いに新たな良い経験を生み出していけるものと期待している」(リズ氏)

全世界のSGIのセールスを統括する任を担うリズ氏は、日本SGIに寄せる期待について次のように語る。 「日本SGIのセールスチームは20年以上にわたって日本のお客さまを見事にサポートしてきており、とても高く評価している。

ぜひ今後もさらなる成功を収め続けていってほしい。と同時に、当社で働き、そしてお客さまに価値を提供できることを楽しんでもらいたい」

“ビジネスを楽しむ”というのはリズ氏のポリシーでもある。

「セールスチームが楽しみながら仕事をすれば、必ずお客さまにも楽しみを伝えることができると信じている。

だからこそ、SGI全体で楽しんで仕事をしていける文化を構築していきたい。そしてそれとともに、責任を明確にできる文化、イノベーションを進めていく文化、創造性をもたらすことのできる文化、成功を続けられる文化を築いていくのが私のビジョンだ。

既にSGIにはそうした文化をつくりあげることのできる土台があるし、特に日本の場合にはかなりのところまで文化が根付いていると確信している」(リズ氏)

そして最後にリズ氏は、日本の顧客に対して次のようなメッセージを発してインタビューを締めくくった。

「私は以前、日本にビジネスで長期間滞在していたこともあり、何よりも日本の人々や文化を愛している。なので、SGIにとっても私個人にとっても日本はとても大切な国なのだ。

日本のお客さまはとても洗練されており、またイノベーティブでもある。複雑なプロジェクトをきっちりとこなしていく様にはいつも感心させられる。

ビジネスで接する人々も素晴らしい方々ばかりだ。そうした日本のお客さまに、成功と楽しみをぜひとも提供していきたい。 日本市場は今後ますます熱いものになっていくのは間違いなく、共に喜びを共有していけるのは光栄なことだ」