東京国立近代美術館、京都国立近代美術館は、美術館で映画を"読む"企画展「映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める」を開催する。開催期間は4月22日~6月1日(5月5日を除く月曜と5月7日は休館)、会場は東京都・竹橋の東京国立近代美術館。開館時間は10:00~17:00(金曜は20:00まで)。入場料は一般850円、大学生450円、高校生以下、18歳未満の方、障害者手帳の所有者とその介護者1名は無料。
ダヤニータ・シン《ファイル・ルーム》2013年 (c)Dayanita Singh |
エリック・ボードレール《重信房子、メイ、足立正生のアナバシス、そして映像のない27年間》2011年 カディスト美術財団蔵 Courtesy of Kadist Art Foundation (c)Eric Baudelaire |
同展では、ユーモラスかつエレガントな振る舞いで、言葉とイメージの関係を浮かび上がらせるベルギー出身の芸術家、マルセル・ブロータースの実践を手がかりに、現在、国際的に活躍する美術家13名のフィルム、写真、ビデオ、インスタレーションなどの作品を読み解いていく。ブロータースのほか、シンディ・シャーマン、ピエール・ユイグ、アンリ・サラ、田中功起、やなぎみわ、ミン・ウォンらが参加する。
例えば、マルセル・ブロータースの映像作品「カラスと狐」(1967~72年)は、17世紀のフランスの詩人、ラ・フォンテーヌの同名の詩編からタイトルを引きながら、靴、コップ、花、電話機といったオブジェ、それに切り抜かれた男の顔や頬づえをつく少女の写真、そして文字の羅列などが登場する。幾重にも敷かれた伏線や意味ありげな言葉、さまざまな事物の断片から、それらを読み解こうとするも、それを覆す作品たち。この作品をはじめとして、美術館を舞台に、映画を"読む"行為が繰り広げられる。また、建築家の西澤徹夫が手がける、「シネマ・コンプレックス」をテーマにしたこれまでにない会場構成も見どころのひとつとなっている。