日本IBMは3月25日、ビッグデータから価値を抽出するビジネス・コンサルティングを強化するため、「戦略コンサルティング・サービス」とアナリティクス関連のソリューションを提供してきた「ビジネス・アナリティクス&オプティマイゼーション」を統合し、2月1日に「ストラテジー&アナリティクス」部門を発足させたと発表した。

日本IBM ストラテジー&アナリティクス パートナー 池田和明氏は、ビッグデータの実施ステップとして、「有用なデータにアクセスする」、「データから有意義な洞察を得る」、「洞察をアクションに結びつける」の3つがあると説明。

日本IBM ストラテジー&アナリティクス パートナー 池田和明氏

そして、「データ活用は企業の競争優位を作り出す要因だが、まだ、企業はデータから価値を見出すことができず、課題が多い。IBMは、『有用なデータにアクセスする』という意味では、基盤構築のお手伝いを行い、 『データから有意義な洞察を得る』という意味では『ビジネス・アナリティクス&オプティマイゼーション』がソリューションを提供、『洞察をアクションに結びつける』というところでは、『戦略コンサルティング・サービス』がサービスを提供してきたが、統合的なサービス提供が行われて来なかった」と、ストラテジー&アナリティクス部門を発足させた背景を説明した。

そこで、新たに設立したストラテジー&アナリティクス部門では4月より、「市場と顧客」を含めた5つのドメイン(事業領域)において、戦略策定および企業変革のコンサルティング、アナリティクス・ソリューション、ビッグデータ基盤の構築を、統合した価値として訴求していくという。

ストラテジー&アナリティクス部門の事業領域(ドメイン)とは、製品・市場戦略、マーケティング、プロモーション、営業改革の分野で、市場データ、競合動向、顧客データ、自社の販売データなど社内外に蓄積された多様なデータに基づくアナリティクスを提供する「市場と顧客」。サプライチェーン機能や間接機能を対象に、ハードウェアに搭載されたセンサーからの情報、オペレーショナルKPI、財務情報、市場情報などの多様なデータに基づく、アナリティクスにより、グローバルレベルでの最適化、高度なリモートメンテナンスの実現、故障の事前検知と事前メンテナンス活用などを提供する「オペレーションとサプライチェーン」。経理財務機能を対象に、最新のアナリティクス手法の活用により、経営資源配分の最適化、売上・利益の着地点予測、プロセス効率向上を推進する「ファイナンス」。アナリティクスからの示唆にもとづいて組織改革を支援する「組織と人材」。情報システム機能に対し、アナリティクスによって、オペレーション改革、先端テクノロジーによる新サービス、そしてグローバルなITガバナンスの実現を支援する「テクノロジー」の5つ。

ストラテジー&アナリティクス部門の事業領域

同社では組織を統合したことで、「有用なデータにアクセスする」、「データから有意義な洞察を得る」、「洞察をアクションに結びつける」の3つのステップにそれぞれ対応するサービスとして、「ビッグデータ基盤の構築」、「最先端のアナリティクス」、「戦略策定、組織改革および業務改革」を統合的に提供するという。

さらに、グローバルで、コンサルティング・コンセプト、ソリューションおよび産業別の事例(インダストリー・ユースケース)を共有し、そこから日本企業にとって意味のあるもの抽出し、日本での知見を加えてサービスを展開していくという。

インダストリー・ユースケース