岡山大学は、タミフルに代わる新たなインフルエンザ治療薬の候補物質を合成することに成功したと発表した。
同成果は、同大大学院環境生命科学研究科の清田洋正 教授らの研究チーム、ならびに東北大学、中国科学アカデミー、横浜薬科大学、中部大学らによる共同研究グループらによるもの。詳細は、英科学誌「Nature Communications」に掲載された。
今回、新たに合成された物質は、インフルエンザウィルスの増殖サイクルにおいて、ウイルスの出芽に必要な酵素「シアリダーゼ」の働きを阻害するもので、この働きは既存薬であるタミフルやリレンザと同じものだという。
また、今回合成された物質の阻害効果は既存薬と同等以下であったが、タミフル耐性ウイルスの酵素に対しても効果を保持できることが確認されたとする。
なお研究グループでは、同物質について、既存薬に比べてより天然の物質に近い構造を持っており、今後、ウィルス本体を使った試験により改良を進めることで、タミフルの代替薬につながることが期待されると説明している。