ルネサス エレクトロニクスは3月24日、自動車のエンジン制御やトランスミッション制御といったパワートレイン制御向けに、40nmプロセスを採用した32ビットマイコン「RH850/E1xシリーズ」を開発し、「RH850/E1M-S」および「RH850/E1L」の2製品を、2014年6月よりサンプル出荷することを発表した。また、併せて専用の電源管理IC「RAA270000KFT」のサンプル出荷も同じ日程で開始することも発表した。

同マイコン製品は、40nmプロセスに、高速読み出しかつ低消費電力が可能な独自のMONOS構造を採用することで、「RH850/E1M-S」で4MB、「RH850/ELL」で2MBのフラッシュメモリ容量を実現しているほか、データ格納用途向けのEEPROMとほぼ同等機能のフラッシュメモリを64KB内蔵しているため、データ格納用の外付けメモリを不要にすることができる。

また、自動車用機能安全「ISO26262」対応を考慮したロックステップ方式を採用したメインCPUはジャンクション温度(Tj)が150℃以下で最大320MHzの動作周波数を実現しているため、従来品に比べ高精度な制御が可能となっているほか、周辺制御用CPUも搭載することで、スケーラブルなCPU構成を実現することが可能だ。

さらに、燃費向上や排ガス対策に向け、エンジンやトランスミッション制御に有用な多機能タイマユニット「ATU-IV(Advanced Timer Unit-IV)」や「高速12ビットΔΣA/D変換器」なども搭載。これにより、さまざまな運転状況に応じたエンジン制御が可能になるという。

なお、これらのデバイスは、2016年3月より量産を開始し、2017年3月にそれぞれ月産50万個での提供を計画しているという。また、サンプル価格はRH850/E1M-Sと電源管理IC各1個を合わせて1万800円となっている。

パワートレイン制御向け40nmプロセス採用32ビットマイコン「RH850/E1xシリーズ」と専用の電源管理ICのパッケージ外観