日清ファルマは3月20日、タマネギに多く含まれるタマネギアリインがテストステロンの低下抑制作用のメカニズムを明らかにしたほか、テストステロンの低下抑制が老化による性行動の減少の改善につながる可能性が示唆されたと発表した。
テストステロンは男性ホルモンの1つ。加齢によって低下することが以前から明らかになっており、低下が原因で抑鬱や筋力低下、疲労感、性機能低下といった症状が起こる症状を「男性更年期障害」と言う。タマネギアリインは、含硫アミノ酸のうちタマネギに多く含まれるイソアリイン、シクロアリイン、メチインの総称。テストステロンの低下抑制作用を持つ成分として2006年に東海大学が発見したが、これまでそのメカニズムはわかっていなかった。
同社は、タマネギアリインの新しい機能性の発見などを目的に、2010年から静岡県立大学と研究チームを結成。研究チームは、老化促進マウスにタマネギエキスを投与する実験を行った。すると、老化にともない減少する血中テストステロン濃度が3.2倍増加し、精巣細胞のテストステロン分泌能力が若齢マウスと同等レベルにまでに回復していることが確認できたという。さらに、タマネギエキス投与群は生存率が高かったことから、テストステロン増加と生存率の間には何らかの関係があることがわかったという。
同社は研究成果の詳細を3月28日に熊本県で開催される「日本薬学会第134年会」および3月29日に東京都で開催される「日本農芸化学会2014年度大会」で発表する。また、3月26日に開設予定のWebサービス「男性更年期NAVI」でも、男性更年期障害に関する研究成果を公開するとしている。