旭硝子(AGC)は3月19日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の高効率ノンフロン型空調機器技術の開発において、従来の代替フロン冷媒「HFC-410A」と同等の冷媒性能を持ちながら、温室効果を示す地球温暖化係数を約1/6に抑えることが可能な空調機器向け冷媒の開発したと発表した。

現在、空調機器や自動車などの冷媒に使用されているHFCは地球温暖化係数(GWP)が高く、環境負荷が大きいことから、その使用が世界的に見直されている。欧州では、すでにHFC規制が始まっており、日本でも2015年から規制が開始される予定となっている。さらに、国連においてもHFC規制が検討されている。

こうした動きに対応し、現在、ルームエアコンや業務用空調機器の分野では、HFC-32などの代替冷媒が一部で採用され始めているが、地球温暖化防止の観点から、より低いGWP特性を持つ冷媒の開発が、引き続き求められている。

今回の冷媒は、GWPが極めて低いHFO-1123を主成分とする環境対応型の混合冷媒となっている。同冷媒は、現状製品化されている代替冷媒候補の中で、最もGWPが低いHFC-32の約半分(HFC-410Aの約1/6)までGWPを抑えながら、従来と同等の冷媒性能を有しており、低GWPと省エネ性能の両立を実現する。

今後、新冷媒実用化の取り組みを加速させるとともに、同プロジェクトにおいて冷媒の性能・安全性評価を実施し、環境負荷が圧倒的に低い空調機器の早期実現に寄与していくとコメントしている。

空調機器用途の冷媒比較