ルネサス エレクトロニクスは3月20日、ジェイデバイスと、ルネサス100%連結子会社の「ルネサスセミコンダクタ・シンガポール社(Renesas Semiconductor Singapore:RSS)」が保有する半導体製造設備の内、両社で合意した設備を、ジェイデバイスの子会社である「ジェイデバイスセミコンダクタ」に譲渡することで合意したほか、この譲渡に伴い、RSSにて生産を行っている製品のうち、両社で合意した製品について、ルネサスからジェイデバイスセミコンダクタに製造委託することについても合意したと発表した。
ルネサスは現在、製造拠点の再編を進めており、後工程製造拠点については、付加価値に応じた生産配分を考慮しつつアウトソーシング製造比率を高めていくという戦略を掲げている。すでに2013年に国内の3つの後工程製造拠点を戦略パートナーであるジェイデバイスへ譲渡し、製造委託へ切り替えていた。
今回の契約は、シンガポールにおける今後の製造ビジネスの拡張性および海外拠点の効率的な運用の観点から決定したものとルネサスでは説明しているほか、国内外の生産拠点の再編を進めることで、各製造拠点の製造効率を極限まで高め、かつ高い稼働率を維持するとともに、アウトソースを活用した製造全体の最適化、効率化を図ることで、コスト競争力の向上と利益を生み出す製造体制の実現を目指すとしている。
なお、今後のスケジュールとしては、2016年3月期中の譲渡ならびに同期の下期中に委託生産を開始したいとしており、今後、RSSでの製造を2016年3月期下期中に終了する方針で現地労働組合との間で協議を進めていくとしている。