パナソニックは3月17日、通信インフラ機器や産業機器などの電源に最適なインダクタ内蔵のDC/DCレギュレータ電源モジュール「PSiP(Power Supply in Package)」を発表した。3月より量産出荷を開始する。
同製品は、独自の部品配置構造でDC/DCレギュレータに必要な制御IC、MOSFET、キャパシタ、インダクタを1つのパッケージにモジュール化したもの。これにより、電源システム設計の短縮、高効率による低発熱化、実装面積削減による発熱とノイズエリアの縮小を実現し、部品や配線配置の自由度が増して、電源設計の工数を削減できる。また、高速応答化により、電源電圧の過渡的な電圧変動を抑え、電源供給されるデバイス動作の安定性が向上し、安全設計が可能となり、セットの評価期間を短縮できる。
さらに、電源をモジュール化することにより、小型化を実現した他、MOSFETに低オン抵抗のトレンチMOSを採用し、そのスイッチング制御を最適に行うことで大電流時における電力変換効率を最大95%まで向上させ、搭載機器の低発熱を可能にした。通常、小型化により発熱温度が上がるが、同製品は小型化とピーク温度の抑制の両立を実現した。加えて、モジュール化したことで、大電流配線やノイズ配線がPSiP内に取り込まれることにより、発熱エリアを1/3、ノイズエリアを1/3に削減できる。これらにより、部品の高密度実装が可能となり、放熱対策部品や基板の小型化が可能になる。
この他、DC/DCレギュレータの制御方式に独自のヒステレティック制御方式を採用することで、負荷変動に対する高速な応答特性を改善させている。ヒステレティック制御方式は、通常の帰還制御に用いられる誤差増幅器がコンパレータ動作するために位相補償の必要がなく、入出力条件の変動に対して理論上、高速に応答して出力を制御できる。これにより、「PSiP」の出力電圧の負荷変動による電圧変動を抑えられ、CPUやFPGAなどのデバイスの誤動作防止が可能となり機器動作の安定性が向上するとしている。