MOSFET

STMicroelectronicsは3月17日、200℃の高温動作に対応する1200V耐圧のSiCパワーMOSFET「SCT30N120」を発表した。

SiCを利用すると、従来のシリコンパワートランジスタを通過する際の標準的なエネルギー損失より50%低減できる。また、高いブレークダウン電圧の実現に向けて、物理的に小型化することが可能である。このようなことから、SiCはシステムの電力効率、サイズ、コストの継続的な改善に不可欠であると考えられている。

同製品は、最大200℃の動作温度を有し、プリント基板サイズの縮小、温度管理の簡略化に寄与する。また、80mΩ(標準値@25℃時)のオン抵抗を実現している。さらに、低ターンオフ損失および低ゲート電荷により、高効率、高速スイッチングが可能な他、リーク電流は10μA以下(標準値)であり、同じ材料で構造が異なる他の製品と比較して、システムのエネルギー効率と信頼性を向上させている。この他、外部フリーホイールダイオードの数を減らし、コスト削減とサイズ縮小が図れる。

なお、パッケージは、温度特性の向上のため最適化された独自のHiP247。価格は1000個購入時で約35ドル。現在サンプル出荷中で、量産開始は6月の予定。

STの1200V耐圧SiCパワーMOSFET「SCT30N120」