Q:日本語の中で美しい響きだと思う単語は何ですか?

会話をしているだけなのにパワフルに聞こえたり、愛を囁くかのごとく聞こえたりと、言葉の響きは国でずいぶん違うものです。そんな印象で言えば、日本語は比較的柔らかく、淡々とした印象があるのだとか。

そこで、今回は日本在住の外国人20名に「日本語の中で美しい響きだと思う単語は何ですか?」と聞いてみました。

■「うぐいす」という言葉の響きが好きです。(フランス/30代後半/男性)
■「さくら」(イギリス/40代後半/男性)
■「羽ばたく」、「ツバキ」、「美しい」(イタリア/30代後半/女性)

季節や自然に関連した単語です。言葉を学ぶ場合、その環境や文化に絡めることが多いもの。意外に古風だったり、自然にまつわる言葉が多かったりするのは、そんな状況も手伝ってのことかもしれません。名は体を表すといいますが、こうした言葉から日本の美しさが伝わると嬉しいですね。

■「奇跡」(トルコ/20代後半/女性)
■「雅」(アメリカ/30代後半/男性)
■「しあわせ」です。(スウェーデン/40代後半/女性)
■「輝き」(ポーランド/20代後半/女性)
■「平和」(ペルー/40代後半/男性)

こちらは単語でも少し複雑な意味があるもの。よいことや美しいものを指す言葉が多く、意味も含めての回答と言えそうです。単なる偶然かもしれませんが、世界の幸福度ランキングの上位に必ず入る北欧の方の回答が「しあわせ」というのはグッとくるものがあります。

■「きらきら」、「さらさら」など。(オーストラリア/40代前半/男性)

様子を表す擬音語は、情景を言葉に置き換える役割を持っています。認識に感性や生活体験が関わる言葉のため、外国人には特に興味深く感じる言葉なのだそうですよ。また、こうした音ではない情景などを音で表現するのは日本語だけという話も。

■「せせらぎ」です。(シリア/30代前半/男性)
■「せせらぎ」(スペイン/30代後半/男性)

一見しただけでは何を指すのかが伝わりにくい単語です。曲線が多い文字の並びや見た目の不思議さにも興味があるのかもしれません。ちなみに、せせらぎが聞きとれるのも「きらきら」と同様に日本人だけだそうです。

■「ごちそうさまでした」(インドネシア/30代後半/男性)
■「さようなら」(中国/30代前半/女性)
■「いらっしゃいませ!」(ベトナム/30代前半/女性)
■「がんばって」(インドネシア/30代前半/女性)

あいさつは気持ちがいいもの、という考えは万国共通です。回答で興味深かったのは、最近の連続ドラマのテーマとなっている「ごちそうさま」をはじめ、人を思いやる意味を含むものが多かったこと。こちらも意味の美しさを含めての回答と言えそうです。

■「問い合わせ」(ブラジル/50代前半/女性)
■「ぼん」です。(韓国/40代後半/男性)
■「あえ(饗)」、「ずつう(頭痛)」、「いえ(家)」。(スリランカ/50代後半/男性)

日本人からすると「なぜこれが!?」という単語も。英語圏ではない国の人が多いので、母国にまったくない発音や綴りが新鮮な部分があるのでしょう。ちなみに「ぼん」は盆、凡などの意味、破裂音などがあてられますが、関西弁だと「坊」の意味にも。方言にまで出てくる、実は相当な奥深さを持つ言葉です。

■「京都」のように長い音から始まり、終わりに切られるような感覚の短い単語の終わりがかっこうよく聞こえます。(ロシア/20代後半/女性)

日本語は子音+母音を組み合わせ、高低でアクセントをつけますが、ロシア語は複数の子音が連なっており、強弱でアクセントをつけます。そんなロシア語圏からすると日本語は未知の世界? 「京都」のような強弱が少なく抜けるような発音は珍しいものなのでしょうね。

普段何気なく話している言葉も、外国人から見れば不思議で面白い存在です。時代に沿って多少は変化していくとはいえ、あまりにスラング的な話し方では大人としては少し格好悪いもの。日本人の一人として恥ずかしくない言葉使いや話し方を心がけたいですね。