NECは3月13日、パブリック事業領域(官公、公共、金融分野)に関する説明会を開催した。同社は2013-2015の中期経営計画の中で、社会ソリューション事業への注力をうたっており、社会ソリューション事業の中のパブリック事業の売上比率を2012年度の22%から、2015年度には24%に引き上げる計画だ。
パブリック事業の2013年度の売上構成(予想)は、官公が6割を占め、公共が3割、金融1割と続く。
同社 執行役員常務 西村知典氏は、「IT(分析技術、ビッグデータ)、ネットワーク、センサー技術がソリューション基盤を担っている」と語り、これらが他社との差別化ポイントだと説明した。
同社のパブリック事業領域には、税・社会保険保障関連システム、自治体向けクラウドサービスなどの「行政サービス」、野外通信システムなど防衛省関連の「防衛」、自動指紋認証や消防デジタル無線システム、地球観測衛星などの「パブリックセーフティ」、道路交通管制システム、航空管制システム、鉄道情報通信システム、ダム/河川遠隔監視システムなどの「交通、水」、営業放送システムなどの「メディア」分野などがある。
同社では、国内の今後の市場見通しについて、2015年度まで消防デジタル無線の特需が継続するほか、マイナンバー制度に伴う政府・自治体投資増、2015年度以降の地方放送局の更新需要拡大、東京オリンピックに向けた社会インフラ投資などの需要を見込んでおり、これらの領域に注力する予定だ。
また、成長に向けた中長期の取り組みでは、海外の新興国を中心とした社会インフラ投資が今後旺盛になると見込んでおり、これまで国内で提供してきたソリューションを中心に、交通、水、通信、都市開発・工業団地、サイバーセキュリティ分野に注力していく予定だ。
サイバーセキュリティ分野では、2014年5月に「サイバーセキュリティ・ファクトリー」を開設し、今後、監視サービスを提供する。
同社はこれらにより海外での売上比率を2013年度の3%から2017年度には15%程度まで引き上げる計画だ。
そして、パブリック事業の売上高を、2013年度の7,450億円(営業利益率7.7%)から2015年度には7,800億円(営業利益率8%)まで、拡大する予定だ。