情報通信研究機構(NICT)は3月11日、西日本旅客鉄道と大阪ターミナルビルの協力を得て4月より大阪ステーションシティで行なわれる予定だった「ICT技術の利用実証実験」を延期すると発表した。
この実験は、カメラを施設内に設置し、映像データとして人の流量や対流の度合いを時間ごとに統計処理、変化の集計を行なう予定であった。実証実験は4月から2年間の予定で、将来的に大規模なデータ解析技術への活用・展開を図るとしていた。
11日の発表でNICTは、「市民の方々の中に本実験に対するご懸念の声」があると触れ、「政府においてもパーソナルデータの利活用について現在検討中」である点、有識者からも「実験に係わる個人情報保護などの制度的な課題や技術的な課題にも十分配慮した対応が必要」との意見があったことから慎重な検討を行なう必要があると判断。
これらの課題が解決されるまで実験を行なわないことに決定したという。