2014年3月19日(水) 、ベルサール神保町(東京都千代田区)にて「現場で即実践!仮説検証のサイクルをまわすデータ分析セミナー ~データから解を探索する方法~」が開催される。本稿では、当日のセミナーで基調講演を行う日産自動車株式会社 組織開発部 ビジネス改革グループマネージャ 柏木吉基氏に、実際の業務で“本当に役立つ”データ分析の考え方とコツについて解説いただいた。
データ分析を行う際に気をつけるべきこと
日産自動車株式会社 組織開発部 |
ビックデータが注目を集めるようになったことなどにより、データ分析の重要性が叫ばれている。その流れからか、近年では統計解析の専門家である「データサイエンティスト」の分析方法を広くビジネスに活用しようという動きが起きている。だが、その捉え方に柏木吉基氏は疑問を呈する。
「データサイエンティストが行う分析と、一般の業務で利用する分析とでは、その目的も手段も求められるスキルも異なります。それをデータ分析という言葉だけで一括りにしてしまうのは問題があります」
高度な専門スキルを駆使して膨大な量のデータを扱うには、それなりに時間も手間もコストもかかる。それを、当日の会議や翌日のプレゼンや、日々の実務の中で手軽な分析に使おうとしても時間やコスト、効率の面で見ると、あまり現実的とは言えないだろう。
「幅広く日々の業務で行う分析は、Excelのような誰でも使えるツールを使って、すぐに結果が出せるようなものであることが望ましいでしょう。もちろんその範囲で行う分析でも、それなりに奥深い知見が得られますし、知っておくべき分析の際に陥りやすい落とし穴もたくさんあります。」
データ分析に重要なものは「目的」と「仮説」
一般的な業務において、データ分析を行う場合にまず重要なもの、それは「目的と仮説です」と柏木氏は語る。
「あまりデータ分析の経験がない人は、とにかくデータを集めて作業を始めようとしてしまいます。ですが、ただ闇雲に集めてしまっても使えるデータにはなりません。データを集める段階から、何を目的としたものなのかを意識し、そこからどのような結果を導きたいのかをする、それが大切なのです」
分析の結果、想定していた仮説が正しければ、当初の予定通り行動を進める。もし間違っていたのなら、そこに至った要因や、他の仮説を探る。 このように、目的と仮説をしっかり立ててから、分析を行うことで「次に何が必要で、どんなアクションを行えばいいのかがわかります。これが大切です」と柏木氏は強調する。
「正論」だけではダメ。職場で使えるデータ分析のポイントとは
「もう一つ、実際の職場でデータ分析を役立てるために、重要なポイントがあります。それは、無機質な分析結果をそのままぶつけることが必ずしも求める結果に繋がるとは限らないということです。」
データ分析によって得られた答えは客観的なものだ。しかし会議やプレゼンなどの場において、その結果だけを相手にぶつけたとしても、心に響くとは限らない。分析結果に対し、勘と経験を踏まえると、この結果はあり得ないという理由で否定される、というケースもよくある話だ。 「理不尽ではありますが、組織では、正論だけでは理解されないものです」
ではどうすべきか。柏木氏は次のように語る。 「まずは、相手が何故そのような思考に至ったのかを理論的に理解する。その上で、どのようにすれば納得してもらえるのかを分析することが大切です。“分析”と聞くと、数値データばかりを意識しがちですが、相手の“心”や“考え”、ときには“バイアス(考えの偏り)”も見据えると、より実践的な結果につなげ易くなります。また皮肉なことに、高度な分析手法を使えば使うほど、受け手にとっては距離感を感じてしまうことも事実です。」 データ分析に慣れていない人は、数字に真正面から向き合ってしまう。それでは、なかなか人を納得させ、動かすところにたどりつけない。だが、少し視点や考え方を変えてみると、意外と簡単に有効な解が求められることもあるのだ。
3月19日(水)に開催される「現場で即実践!仮説検証のサイクルをまわすデータ分析セミナー ~データから解を探索する方法~」では、上記のような現場で使えるデータ分析の考え方と着眼点がより詳しく解説される予定である。日々、業務でデータ分析を行っている方々には「目から鱗」となる必聴の講演となることだろう。
同セミナーの詳細は以下の通りとなっている。
・タイトル:現場で即実践!仮説検証のサイクルを回すデータ分析セミナー
・開催日程:2014年3月19日(水) 13:00(開場 12:30)~16:05
・定員:100名
・申し込み締切日:2014年3月18日(火) 18:00
・参加費:無料
・開催会場:ベルサール神保町 Room1
・〒101-0065 東京都千代田区西神田3-2-1 住友不動産千代田ファーストビル南館3F
・主催:株式会社マイナビ マイナビニュースセミナー運営事務局
・協賛:株式会社クリックテック