日本電波工業は3月10日、小型ながら高精度な測定が可能なガイガーミュラー計数管(GM管)式空間線量計(放射線量測定器)「RDS20A」を開発したことを発表した。
福島第一原子力発電所(原発)の事故以降、国内にて海外製の多くのGM管式の放射線量測定器が用いられているが、その計測地の信頼性については問題視されてきていた。また、通常のGM式放射線量測定器はベータ線(β線)とガンマ線(γ線)の両方を検出してしまうため、原発事故以降問題視されているセシウム134、セシウム137などのγ線の空間線量率の計測において、信ぴょう性に欠ける面が指摘されていた。
同製品は、そうしたニーズに対応することを目的に開発されたもので、β線を遮蔽し、γ線のみを計測できるように設計が施されたGM管を採用したほか、国家計量標準につながるトレーサビリティのとれた校正を実施することで、その測定の信頼性を実現したという。
また、GM管や計数回路などを一貫して自社で設計・開発し、それを国内で製造することで、小型かつ安価ながら0.01μSv単位での計測を可能としたとする。
さらに、1時間ごとの積算線量値を端末内部にデータとして保存することができ、専用ソフトウェアを用いてパソコンで日常生活における空間線量の履歴を確認することなども可能だという。
なお、主な仕様は以下の通り。
- 検出方式:GM(ガイガーミュラー)管式
- 測定放射線:γ線(ガンマ線) 測定範囲:空間線量率(0.01μSv/h~9.99μSv/h)、積算線量(0.01μSv~99.99mSv)
- 相対指示誤差範囲:±20%(Cs137規定線源による)
- 表示更新:10秒
- 応答時間:1分または3分
- 表示:電池残量、放射線検出アイコン、測定音ON/OFF アイコン
- 測定音ON/OFF:セレクトボタンを押し続けて切替
- 測定モード切替:空間線量率、積算線量の表示、セレクトボタンで切替
- 測定メモリ:1時間ごとの放射線量を1カ月分保存
- 使用温度範囲:-10℃~+40℃
- 寸法:約98(H)mm×60(W)mm×27(T)mm
- 電池:単4電池×2本
- 通信インタフェース:Micro-USBコネクタ(USB2.0)
- ソフトウェア:Windowsソフトウェア・積算線量モニタ
- 操作ボタン:電源ボタン、セレクトボタン
- 校正:校正定数による測定表示値補正済み