ゴールドウインは3月10日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」にて行われる筋骨格系維持訓練システム「ハイブリッドトレーニングシステム(HTS)」に用いられる装具を開発したと発表した。

同器具は、ISSにて宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する、宇宙飛行士の宇宙長期滞在における筋骨格の委縮に対する効果の検証実験に用いられるもので、今回の検証実験では、宇宙での長期滞在本格化に向け、微小重力環境下で低下する筋力を維持するための方策の1つとして、HTSによる筋力維持の効果検証が実施される。

HTSは、JAXA、久留米大学および九州工業大学が共同で基礎研究と要求仕様の策定を行い、千代田化工建設がJAXAより開発を受注したもので、同社はHTSのうち宇宙飛行士が装着する装具について宇宙仕様の設計・開発を行ったという。

HTSは、電気刺激による運動抵抗を利用した筋骨格系維持効果を目的とした装置・装具と、訓練効果を評価するための筋力測定器で構成されており、専門知識が無くても電極の位置決めが正しく設定でき、微小重力下で補助がなくても1人で装着が可能、かつ、適正な締付力で電極を固定できる特長を有するという。

なお、同実験は2014年4月のフライトミッションにて着用実験が実施される予定だという。

「ハイブリッドトレーニングシステム(HTS)」の装具