STMicroelectronicsは、LTEのパフォーマンスを向上させることができるアンテナ・チューニングIC「STHVDAC-253M」を発表した。

スマートフォンにアンテナ・チューニング機能を搭載すると、受信強度の向上や通信切れ回数の減少、データ転送レートの高速化、バッテリの長寿命化などを図ることが可能となる。これまでアンテナ・チューニング機能は、モバイル機器に内蔵されたアンテナの固定インダクタンスと電気的に制御されたキャパシタンスの組み合わせで実現されてきたが、同製品は、高耐圧DAコンバータ3回路を集積したASSPであり、同社の可変容量コンデンサを高精度で制御し、アンテナの共振周波数と使用されている周波数帯域の整合を最適化することで、3つの異なる周波数帯域用のアンテナ性能を同時に最適化することができるようになるという。

インタフェース規格としてはMIPI RFFEが採用されており、拡張モード、トリガ、26MHzクロック動作などのMIPI RFFE規格に準拠したすべての機能に対応すると同時に、既存ソリューション(SPI)に比べ実装面積を30%小型化することも可能だという。

なお、同製品のサンプルは、2014年3月中旬よりフリップ・チップCSP(0.4mmピッチ)での提供が開始される予定で、単価は1000個購入時で約0.57ドルだという。

アンテナ・チューニングIC「STHVDAC-253M」のパッケージ外観