IDC Japanは3月6日、国内教育分野におけるタブレットソリューション市場について2014年1月に実施したユーザー調査と実績調査をもとに分析を行い、その結果を発表した。
本調査は、学校の教職員、塾/予備校の講師、学校に通う子供がいる親を対象にWebアンケートを実施し、教育におけるタブレット端末の導入状況、意向についてまとめたもの。さらに取材情報などを加味し、教育分野のタブレットの出荷台数と同ソリューション市場について2014年から2018年の予測を行っている。
これによると、2013年の国内教育分野におけるタブレットの出荷台数は25万台、タブレットソリューション市場の売上額は260億円になるという。ここでいうタブレットソリューション市場とは、タブレット本体、およびその導入に付随する付帯設備、アプリケーションなどを含む市場を指す。学校の場合、電子黒板、充電保管機、LAN設備、デジタル教科書、コンテンツ、校務支援システム、運用保守支援サービスなどが含まれる。
教育分野におけるタブレットの出荷台数は、2014年に43万台、2018年には128万台に達し、2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は38.7%になるとIDCでは予想。教育分野におけるタブレットソリューション市場の売上額は2014年に302億円、2018年には759億円、2013年~2018年のCAGRは23.9%と予測している。
Webアンケート調査で、タブレットの導入状況を学校の教職員に質問したところ「導入済(9.8%)」、「導入予定(20.4%)」、「導入予定なし(53.1%)」、「知らない(16.7%)」という結果となり、「導入予定なし」と回答した校長、教頭にその理由を質問したところ「使わせたいが予算がない」との回答が66.0%と6割を超えた。
逆に「ICTを使う必要性を感じない」の回答は、4.3%と少なかった。このことから、導入予定がないと回答していても、校長、教頭は、ICTやタブレットの導入に対しては肯定的な考えを持ち、政府あるいは自治体などのサポートによって予算が確保できれば、導入へ舵をきる可能性が高いと考えられる。
IDC Japanでは、「学校で本格的に普及するには、少し時間がかかりそうだ。学校より先に、塾/予備校/通信教育で需要が立ち上がる可能性が高い。また、通信教育で利用されているタブレットは、1万円前後で安価なものだが、自社開発にて教育分野に特化し、作りこんでいる。加えてこのタブレット用に開発されたコンテンツで成果を上げれば、学校で採用されることも十分考えられる。ITベンダーは、この先、学校での需要を取り込むためには、まずこの通信教育分野におけるタブレットソリューションのノウハウを吸収すべきである」と指摘している。