計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは3月6日、「Agilent EEsof EDA アドバンストデザインシステム(ADS)」の最新版「ADS 2014」を発表した。

「ADS」は、RF、マイクロ波、シグナルインテグリティ用途向けEDAソフトウェアで、最新版の「ADS 2014」では、シリコンRFIC、MMIC、RFプリント基板など、複数の技術を搭載したRFモジュールなどの設計に役立つ新技術および機能を実装している。具体的には、回路・電磁界(EM)の協調解析向けに、EMシミュレーションの自動セットアップおよびパーティションニング機能を搭載し、SMDおよびIC部品の除去、ポートの配置、再接続を自動的に実行可能。これにより、処理は10倍高速に、マウスの操作回数は1/20以下に減少できるという。

また、形状認識によるLVSおよびモジュールレベルLVSを実装しており、階層をまたがるワイヤリングおよびピンスワップエラーも発見可能となる。さらに、ワイヤレス検証テストベンチにより、シンプルなユーザーインタフェースで、LTE/LTE-A/802.11acといった最新のマルチバンド広帯域規格や、任意の信号を用いた回路検証が可能となる。そして、レイアウト設計では、電源、GNDプレーンの作成において、配線設計でもビアの自動挿入や修正が容易になるなど、様々な改善が図られている。新機能のControlled Impedance Line Designerでは、数Gビット/秒の高速デジタル信号を扱う基板でのマルチレイヤーの配線構造の設計や最適化が可能。この他、シリコンRFIC設計向けに、「ADS」とCadence Design Systemsの「Virtuoso」間で回路図の相互利用が可能になる。

なお、価格は290万円(税別)から。3月より出荷を開始する。

アジレントのRF、マイクロ波、シグナルインテグリティ用途向けEDAソフトウェア「ADS 2014」の画面