santecは3月6日、独自のLCOS(Liquid Crystal on Silicon)技術を応用し、任意の光スペクトルをプログラマブルに生成できる電動型可変光フィルタ「WSS-1000」を発表した。

同製品は、従来から展開する波長・帯域幅可変光フィルタ製品の信頼性を維持しながら、独自のLCOSを周波数(波長)制御デバイスとして採用することで、任意のスペクトルを高い自由度で生成が可能。光技術の評価環境構築に必要な、様々な要求に柔軟に対応できる。

具体的には、100Gbps超の次世代光ネットワークとして提唱されている周波数利用効率を向上させたエラスティック光ネットワークの評価および検証に適している。高速信号用の光イコライザとして、DWDM(光波長多重通信)やOFDM(直交周波数分割多重方式)チャネル選択フィルタとして、あるいはWSS(波長選択スイッチ)エミュレータとして、各種測定に利用できる。

同LCOS素子は液晶技術を用いており、柔軟な帯域可変と減衰制御を可能としながら、高いポート拡張性も同時に実現した。従来の電動型可変光フィルタはモータなど可動部品に頼らざるを得ず、故障の原因となったり、こまめな校正作業が必要などの問題があった。「WSS-1000」に採用されたLCOS素子は無可動デバイスのため、精妙な測定結果が求められる場面で、高い信頼性を実現している。

また、400dB/nmと急峻な透過帯域幅のフィルタスロープを備えており、波長および帯域幅を1GHz以下の高分解能で制御可能な他、WSS光モジュールで実績のあるスイッチング機能も搭載しており、1×4までのポート切り替えが可能となっている。今後、1×9までのポート切り替えにも対応させる予定。波長バンドは、C-band対応品とL-band対応品がラインナップされている。

santecの電動型可変光フィルタ「WSS-1000」