スリーディー・システムズ・ジャパンは3月6日、3Dプリンタ「ProJetシリーズ」3製品の国内発売を4月1日より開始すると発表した。

3Dプリンタで顔や手などを造形したお内裏様とお雛様

個性あふれる3機種を発表

発売する3製品は「ProJet 5500X」「ProJet 4500」「ProJet 1200」。2013年12月にドイツで開催された大型展示会「EuroMold(ユーロモールド)」で発表した。

「ProJet 5500X」は、1つの造形物で異なる材料を複数使えるのが特徴。従来は1個の造形物で1種類の材料が基本であったが、ProJet 5500Xは剛性のあるプラスチックマテリアル(クリア)、剛性のあるプラスチックマテリアル(白)、ゴムライクマテリアル(黒)を組み合わせて造形することができる。造形サイズは最大533mm×381mm×300mm。

また、従来品と比べて造形速度が2倍になるなど、基本性能の向上を図っている。本体サイズは1700mm×900mm×1650mm、重量は934kg。価格は3000万円程度。

ProJet 5500X

ProJet 5500Xで造形したサンプル

「ProJet 4500」はプラスチックを材料とするフルカラー機。これまで石膏タイプのみであったフルカラー機に新たなラインアップが追加された。ProJet 4500で造形したものは、石膏タイプで造形したものに比べて耐久性があり、軽いことがメリットだ。造形サイズは203mm×254mm×203mm、本体サイズは1620mm×800mm×1520mm。価格は900万円程度。

ProJet 4500

ProJet 4500で造形したサンプル

「ProJet 1200」は、積層ピッチ30μmと高精度でありながら価格が60万円とコストパフォーマンスに優れたデスクトップ型3Dプリンタ。造形サイズが43mm×27mm×180mmで小型パーツの製造に向く。

今後3Dプリンタは一家に1台以上が当たり前に!?

Michele Marchesan氏

同社で行われた発表会では、米3D Systems Chief Opportunity OfficerであるMichele Marchesan氏が登壇。3Dプリンタを取り巻く現在の状況を「3D Printing 2.0」であると述べ、その詳細を説明した。

まず、これまで(1.0の時代)3Dプリンタは、製造業で評価用の部品試作をメーンに使用してきたが、最近ではさまざな業界で利用されている点だ。例えば、医療業界では補聴器やインプラントの試作品を3Dプリンタで造形している例があるという。

また、同氏は部品の評価目的だけでなく、最終製品として利用されるケースが増えてきていることを述べた。例えば、戦闘機のF35の中には3Dプリンタから直接製造された部品が45個あるという。

さらに、同氏は家庭での利用が増えたことを挙げた。同社は、プロフェッショナル向けの3Dプリンタだけでなく、個人向けの3Dプリンタにも注力しており、Euromoldで個人向けの最新機種「Cube 3」と「Cube Pro」、砂糖を材料にしてお菓子を作れる「ChefJet」を発表した。こういった家庭で使える3Dプリンタが増えたことに同氏は「今後は、自室やキッチンなど部屋によって用途が異なる3Dプリンタを利用する」と述べた(Cube 3、Cube Pro、ChefJetの発売はすべて年内を予定)。

今後発売が予定されているCube Pro