ヤフーは3月5日より大丸松坂屋百貨店と共同で「がんばろう東北!!東北物産展」を松坂屋上野店で開催する。この取り組みはヤフーが震災後に宮城県石巻市に設置した復興支援の拠点「ヤフー石巻復興ベース」を初めとする復興支援の一環。震災から3年を迎える2014年3月11日以降も、ITを活用した復興支援を継続的に進めていくという。
同日、松坂屋上野店で記者説明会が開かれ、ヤフー 復興支援室の長谷川 琢也氏が同社の取り組みを説明した。
ヤフー石巻復興ベースでは、ネット企業としての役割よりも、地元の人と一緒に復興への活動を進めていくことに重点を置いている。そのため、実際に5名のヤフー社員が石巻市に移住しており、今回の発表に合わせてわざわざ上京してきたのだという。
「漁師と一緒に沖に出たりもします。その一方で、IT分野ではノウハウや周囲との関係性がある私たちが、ほかの企業や人との橋渡し役になることも重要な役割だと思っています」(長谷川氏)
IT分野では、今回の発表のようなビジネスとしての繋がりの場を提供するだけではなく、IT教育といった人材の育成も行なっている。また、ビジネスと育成の両面でほかのネット企業との連携も行なっており、Googleが復興支援として行なっている「イノベーション東北」にも協力している。
今回の物産展は活動の一環となっており、「復興デパートメント」や「三陸フィッシャーマンズプロジェクト」で培った関係性を活かしている。ほかにも、復興デパートメントで人気の高い「魚屋 岡清(おかせい)」の「女川丼」や、物産展限定の「爆速復興弁当」が提供される。
更に、この物産展の目玉として提供される商品がある。それは「アカモク」だ。海藻類のアカモクは、昆布やわかめ、ひじきの仲間で1年生植物。縄文時代から食されており、江戸時代には縁起物として重宝されたという。
フコイダンやフコキサンチンといった栄養分を多く含んでおり、免疫力の向上、脂肪燃焼効果があるといわれている。アカモクは宮城県塩釜市と岩手県山田町が比較的規模の大きい生産地とされており、今回、塩釜市の赤間俊介さんと山田町の高橋清隆さんが説明会に登壇した。
両者は、競争関係でいるよりも「東北の小さい範囲でいがみ合うのではなく、ブランディングして市場を拡げよう」(高橋氏)との思いから共通のブランドを立ち上げたという。
この「AKAMOKU」は、"環境"や"食"に対する支援を行なっている非営利団体「APバンク」の協力のもと、パッケージやロゴを制作した。この商品を地域の名産品、メジャー商品にするため、三陸フィッシャーマンズプロジェクトと連携するほか、オイシックスが販売・ポロモーション支援を行なうという。
その流れから、オイシックスの女性社員が会見場で「AKAMOKU」を試食。「アカモクは食感が良いし、少し前から食べていますが、継続的に食べているとお腹がスッキリして体調が良くなります」と話していた。
また、大丸松坂屋百貨店でバイヤーを務める本田 大助氏も「リアル店舗として少しでもアカモクの良さを知ってもらう為に販売機会・試食の場を提供していきたい」と語った。
なお、大丸松坂屋百貨店とヤフーは松坂屋上野店以外でも上野地区全体で東北6県の復興支援企画を行なう。詳しくは「上野東北 絆を結ぶ 2014」をご覧いただきたい。