Texas Instruments(TI)は3月5日、センサレスモータ制御技術「InstaSPIN-FOC」の複数のMotorWareソフトウェアアップデートを提供するとともに、発売1周年を記念して評価キットのプレゼントキャンペーンを実施すると発表した。
「InstaSPIN-FOC」を使うことで、あらゆる種類の三相同期/非同期モータを識別して、広範囲におよぶ速度や負荷への調整、制御を数分で実現し、モータ制御システム設計の作業負荷を低減できる。また、特定のPiccolo32ビットマイコン「C2000」のROMに内蔵されたTIのセンサレスオブザーバソフトウェアアルゴリズムであるFAST(磁束、角度、速度、トルクの頭文字)を使うことで、メカ式の回転センサが不要となり、システムコストの削減、動作性能や信頼性の向上を提供する。
「InstaSPIN」の利点は、設計期間を数カ月短縮できる他、メカ式のエンコーダに近い性能が実現する。また、オフラインの試運転でモータの識別と調整を実行できる。さらに、他のセンサレス制御手法に伴う、起動時の問題を解決できる。加えて、最大効率を実現するモータサイズの選定が可能。この他、PowerWarpモードによる誘導モータの大幅な省エネ、MotorWareソフトウェア環境による評価と開発を迅速化などが実現する。具体的に、今回のMotorWareの最も大きなアップデートは、非同期インダクションモータ向けに強化した、モータパラメータ識別機能であるという。
また、発売1周年を記念して、TIのWebサイトにてオンラインアンケート(英語)に協力すると、抽選で参考価格699ドル相当までの「C2000」InstaSPIN用のツールが当たる特別キャンペーンも実施される。同ツールには、50V/3.5Aの「DRV8312」を搭載した「DRV8312-69M-KIT」、 24V/10Aのローンチパッド「TMS320F28027F」とブースタパック「DRV8301」のバンドル製品である「LAUNCH-F28027F-BOOST-DRV8301」、60V/40Aの「DRV8301」を搭載した「DRV8301-69M-KIT」、350V/10Aの高電圧キット「TMDSHVMTRINSPIN」がある。加えて、参考価格99ドルの「TMDSCNCD28069MISO」と、同69ドルの「TMDSCNCD28027F」の2種類のcontrolCARD製品を個別に供給中。これらのcontrolCARDは、6~350Vで最大出力電流40Aの互換性のある複数のモータ評価キット製品にも付属する。2014年中に、複数の新型「C2000」ローンチパッド、controlCARD、モータキットが発売される予定。
なお、「InstaSPIN-FOC」と「InstaSPIN-MOTION」は、各々に対応したPiccoloマイコン「C2000」に内蔵して供給される。価格は4~12ドル。