日産自動車は2月28日、さまざまな走行環境においてドライバーにクリアな後方視界を提供する液晶モニターとルームミラーとを任意に切り替えることを可能にした「スマート・ルームミラー」を開発したと発表した。
同ミラーは、リアウインドウに設置された高解像度カメラによる鮮明な画像を液晶モニターに映し出すことで、従来よりも広くクリアな後方視野をドライバーに提供し、快適な運転操作を可能とするもの。ルームミラーに内蔵した液晶モニターには、後方や斜め後ろを走行する車両がピラーなどで遮られることなく鮮明に映し出されるため、ドライバーは周辺の交通状況を把握し易くなるというメリットを得ることができるようになる。
また、通常のルームミラーの場合、後席に多くの乗員が乗車したり、荷物を高く積み上げたりした場合に、リアウインドウの視界が遮られ、後方の交通状況の確認がしにくい場合があるが、「スマート・ルームミラー」は、リアウインドウにカメラが取り付けられているため、容易に後方の交通状況の確認をすることができるほか、降雨時や降雪時、また薄暮や夜間などのさまざまな環境下においても、広い範囲の後方映像を鮮明に映し出したり、朝夕の逆光や後続車のヘッドライトの光に対しても、高度なカメラ制御と画像処理プログラムを採用することで、眩しさが少ないクリアな後方視界を実現できるという。
従来の一般的な広角カメラでは、広い範囲を映し出すことができる反面距離感を掴むのが難しくなり、かつ、画質が大きく悪化するという問題があったことから、新たに独自開発の130万画素の高性能狭角カメラを採用。これにより、撮影した画像を、高画質かつ正しい距離感でモニターに映すことを可能にしたとする。
また、併せて開発された液晶モニターは、通常のモニターのアスペクト比(4:3もしくは16:9)と異なる、約4:1という特殊な形状とすることで、画像をルームミラーの一部に収めるのではなく、全面に映し出すことを可能としたほか、液晶モニターとミラーを重ねて使用すると、後方からの光がミラー反射とモニター透過によって2重像現象を発生させ、良好な視界が得にくくなるという課題に対して、内部構造の工夫により、2重像現象を発生させることなく、液晶モニターと通常のミラーとの切り替えを可能にしたとする。
なお日産では、「スマート・ルームミラー」を2015年からグローバルに採用するための検討を進めているとしており、まず日本市場において、2014年春からディーラーオプションとして販売を開始する予定だという。