ビジュアルデザインスタジオWOWは、世界的に著名なプロダクトデザイナーであるマーク・ニューソンが手がけた日本刀のオリジナルアートピース「aikuchi(アイクチ)」を発表。同作品を展示する展示会「WOW × Marc Newson "aikuchi exhibition"」を開催する。開催日時は3月20日 10:00~17:00。会場は東京都・新橋の東京美術倶楽部 3階。入場無料。

日本刀「aikuchi」

マーク・ニューソン

「aikuchi」は、これまで数々のビジュアル作品を手がけてきたWOWが、初めて企画から総合的にプロダクトのプロデュースを行った作品。同社代表の高橋裕士の生家で、宮城県指定無形文化財である法華家を始め、震災の影響からも存続が危ぶまれている東北の伝統工芸の粋を日本刀に集約したものだ。

この「aikuchi」という名称は、日本が平和な時代を迎えたことを受け、使用者の身を守るための鍔をなくした形状を採用した刀で、お守りとしての意味を持つ物として継承されている日本刀「合口」に由来しており、マーク・ニューソンはこういった「合口」の持つ意味に共感し、同作品の制作において鞘のグラフィックパターン、鍔の加工法、紐、収納ケース、ディスプレイに至るまで、刀身以外の全ての刀装具デザインを、職人達の技と意見を取り入れながら行ったという。協力したのは、岩谷堂箪笥の職人・及川孝一、秀衡塗の職人・佐々木優弥、そして刀工の法華三郎信房の3名ということだ。

なお、マーク・ニューソンは家庭用品から家具、腕時計、自転車、車、ヨット、レストラン、飛行機の内装、建築、そして自身の彫刻作品と多岐に渡るジャンルで数多くの作品を発表している著名デザイナー。日本で発売された製品では、ペンタックスリコーのデジタル一眼カメラ「K-01」やauの携帯電話「talby」、味の素の発売100周年を記念した「味の素マーク瓶」などがある。