「日本らしい建築物」と聞いて、皆さんなら何を思い浮かべますか? 日本人と、外国人ではイメージするものが違ってくるのでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に「"日本らしい建築物"と聞いてまっさきに思い浮かぶもの」を聞いてみました。
■神社やお寺 (イタリア人/36歳/女性)
■temples and shrines! (イギリス人/36歳/女性)
最も多かったのは「お寺」「神社」という回答でした。宗教的な建築物には、その国の思想や美意識、建築様式が最も特徴的に現れます。海外向けの観光ガイドブックでもお寺や神社の写真が表紙になることが多いので、その影響もあるかもしれませんね。
■京都の五重塔 (ブラジル人/54歳/女性)
■金閣寺 (シリア人/30歳/男性)
神社仏閣の中でも、金閣寺や五重塔といった、特定の歴史的建造物の名前をあげる人もいました。数多くあるお寺の中でも、京都の金閣寺の印象は強いようです。
■舗装されていない小道などにある、小さな神社は日本らしいと思います。(ブラジル人/54歳/女性)
こちらは同じ神社でも、田舎道にぽつんと佇んでいるような趣のもの。観光地化されていない場所にこそ、本当の日本らしさを感じさせる建物がありますよね。
■大阪城が日本らしいと思います。(ブラジル人/54歳/女性)
■大阪城 (韓国人/46歳/男性)
かの豊臣秀吉により、建設が開始された大阪城。空に高くそびえる天守閣は、今も堂々とした姿で戦国時代のドラマを伝えています。日本といえば「サムライ」、という海外からのイメージにも呼応する建築物かもしれません。
■合掌造り (スリランカ人/58歳/男性)
「合掌造り」という単語を知っていることに驚きです! 世界遺産に登録された白川郷などには、海外から観光に訪れる人も増えているようです。山あいに合掌造りの集落が点在している風景は、昔ばなしの世界のような美しさです。
■京都にある長屋 (ベトナム人/30歳/女性)
■古民家。雰囲気が大好きです。(スウェーデン人/45歳/女性)
宿泊施設やカフェとしてお洒落にリノベーションされるケースも増え、その魅力に改めて注目が集まっている古民家。ツヤのある木の縁側や、畳敷きの部屋、囲炉裏、ふすまや障子など、昔ながらの木造建築はまさに「日本らしい建築物」と呼べるものです。
■茶室 (ポーランド人/26歳/女性)
「侘び・寂び」を軸とした日本ならではの美的感覚。その精神が凝縮された茶室を選ぶ人もいました。
■浅草寺 (スペイン人/36歳/男性)
■東京タワー (インドネシア人/33歳/女性)
東京に来た外国人が必ず訪れるといっていい「浅草」、そして東京のランドマークである「東京タワー」。このように、日本を象徴するシンボリックな場所を思い浮かべた人も。
いかがでしょうか。外国人といっても日本に数年以上住んでいる方たちがアンケートの対象者ということもあり、「合掌造り」「長屋」「古民家」といった具体的なワード出てきたのが印象的でした。戦後の住生活の欧風化によって、現在では昔ながらの日本家屋は減少し、畳のある家も少なくなってきています。耐震性・耐火性といった点から普段の住まいを木造建築にすることは難しいという面もありますが、古くからの建物を修復・保存することで、その魅力が後世や海外の人たちにも伝わっていくといいですね。