Broadcomは2月27日、スマートフォン向けに5G Wi-Fi(802.11ac)対応の2×2 MIMO(Multiple Input Multiple Output) SoC「BCM4354」を発表した。

スマートフォンユーザーは、高速な通信速度と常時接続機能を求めている。しかし、そのパフォーマンスは、端末の持ち方や利用場所などの要因により低下することがある。これまで、タブレット以上のサイズの端末はマルチアンテナを使用することによって、MIMOシステムがこうした問題を解消してきた。同製品は、最新のアンテナとPHYデザインを採用することで、スマートフォンなどの小型プラットフォームにおいても、5G Wi-Fi対応の2×2 MIMOの利点を活かせる他、設計時の複雑さも軽減した。さらに、独自の送信ビームフォーミング(T×BF)技術により、接続が集中する環境においても帯域全体の接続レートを向上させた。そのため、大人数が集まるスポーツイベントやコンサート会場などでも、画像や動画をこれまでの2倍の速さでアップロードすることできる。

また、A4WP(Alliance for Wireless Power)によって開発されたワイヤレス給電技術のRezenceをサポートするモデルも用意されている。加えて、同製品の全モデルに、Android、WindowsおよびChromeといった各OSに対応するソフトウェアプラットフォームが搭載されている。

この他、Bluetooth(BT) 4.1/BLE、FMラジオレシーバをサポートする。PHYレートは867Mbps、チャネル帯域幅は80MHz。また、SDIO 3.0、省電力PCIeホストインタフェース、BT用UART、USBの他、低密度パリティチェック(LDPC)、スペースタイムブロックコーディング(STBC)、TurboQAM、高精度屋内測位機能なども搭載されている。

なお、同製品はすでに生産を開始している。

Broadcomのスマートフォン向け5G Wi-Fi対応2×2 MIMO SoC「BCM4354」