AMDは、組み込みアプリケーション用GPU「AMD Radeon E8860(コードネーム:Adelaar)」を発表した。
同製品は、グラフィックスコアネクスト(GCN)アーキテクチャをベースとするディスクリートGPUで、組み込みアプリケーションにおけるビジュアル生産性と並列処理能力の向上に特化して設計されている。また、従来製品と比較して2倍以上の性能を持ち、組み込みゲーム機、デジタルサイネージ、医用画像、商用航空宇宙、軍事用途などの組み込みアプリケーションで、3Dおよび4Kのグラフィックスを実現する。さらに、従来製品から33%向上させた768 GFLOPSの単精度浮動小数点演算性能により、地形図および天気図の作成、顔面およびジェスチャ認識、生体認証やDNA解析などの複雑な並列アプリケーションにも対応できる。
加えて、「AMD Eyefinityテクノロジー4」により、独立した複数のディスプレイを駆動する他、Microsoft Windows 7、Windows Embedded 7 Standard、Windows 8/8.1、Windows Embedded 8 Standard、Linux、およびCoreAVIの組み込みソフトウェアドライバ一式をサポートするOSにより、DirectX 11.1、OpenGL 4.2、OpenCL 1.2に対応している。この他、2GバイトのGDDR5フレームバッファを備え、NVIDIAの50W以下カテゴリーのGPU「GeForce」と比較して最大で80%高いメモリ帯域幅を実現。また、GPGPUの並列処理能力は、競合する50W以下カテゴリーのディスクリートGPUと比較して、最大で61%高いW当たりのパフォーマンスを発揮する。さらに、従来製品と比較してW当たりの3Dグラフィックス性能を92%向上させている。
なお、同製品は、7年間の供給保証が付き、MXM(Mobile PCI Express Module)およびPCI Expressアドインボードとして提供される。デジタルサイネージ、軍事用途、商用航空宇宙、医用画像、組み込みゲーム機向けの「AMD Radeon E8860」ベースのソリューションは、大手基板メーカーおよびソリューションプロバイダから、2014年第1四半期より販売が開始される予定。