Microchip Technologyは2月26日、8ビットPICマイコン製品群を拡充する「PIC12(L)F157X」ファミリを発表した。

同ファミリは、複数の16ビットPWM、多彩なアナログ周辺モジュール、シリアル通信モジュールを8ピンパッケージに統合している。それぞれ独立したタイマを備えたフル機能の16ビットPWMを3個内蔵しており、LED照明やステッピングモータ、バッテリ充電、その他の汎用アプリケーションなど、高分解能が必要なアプリケーションに適している。

また、標準およびセンターアラインPWM出力モードに加え、4つのコンペアモードも備えており、16ビットタイマとしても利用できる。さらに、相補波形ジェネレータ(CWG)と16ビットPWMを組み合わせると、ハーフブリッジおよびフルブリッジ駆動制御が可能。CWGは強力な波形ジェネレータで、極性、デッドバンド、非常シャットダウンステートなどの重要なパラメータをきめ細かく制御して相補波形を生成できる。これにより、モータ制御および電源アプリケーションにおいて基板面積と部品コストを節約しながらFETを駆動でき、対費用効果の高いソリューションが実現する。加えて、コアから独立したCWG、16ビットPWMといった周辺モジュールと、10ビットA/Dコンバータ(ADC)、コンパレータ、5ビットD/Aコンバータ(DAC)などのアナログ周辺モジュールを組み合わせると、閉ループフィードバックおよび制御が可能。屋内外のLED照明、RGB LED色調制御、電気シェーバやラジコン玩具、車載用室内LED照明など、幅広いアプリケーションに最適となっている。

「PIC12F1572」は、EUSART通信をサポートした、PICマイコンとしては安価な製品ながら、内蔵のEUSARTモジュールは、汎用シリアル通信だけでなく、車載および産業用制御向けLINアプリケーションにも使用できる。さらに、10ビットADCも内蔵しており、同社の静電容量式センシングソリューション「mTouch」を使って、ヒューマンインタフェース/タッチアプリケーションを開発できる。また、「PIC12F157X」は不揮発性データストレージとして高耐久性フラッシュ(HEF)メモリも内蔵している。低消費電力技術を採用した「LF」バージョンの製品は、アクティブ時の消費電流を35μA/MHz未満、スリープ時の消費電流を20nAに抑えており、バッテリ駆動アプリケーションに適している。

「PIC12F157X」ファミリは、統合開発環境(IDE)「MPLAB X」、PICkit 3「PG164130」、8ビット少ピン開発キット「DM164130-9」、MPLAB ICD 3「DV164035」、PICDEMラボ開発キット「DM163045」など、同社の充実した開発ツール群でサポートされる。また、同ファミリを使った照明アプリケーションの開発を支援するため、RGBバッジデモンストレーションプラットフォームとアプリケーションノート「High Resolution RGB LED ColorMixing」(AN1562)も提供されている。

なお、パッケージは8ピンPDIP、SOIC、MSOP、3mm角のDFN。サンプル出荷および1万個単位の量産出荷を開始している。

Microchipの8ビットPICマイコン「PIC12(L)F157X」ファミリ