Web事業支援・Webインテグレーション、マーケティング・テクノロジー、マルチデバイスソリューションのそれぞれの分野で事業を展開するマイクロウェーブは、バリオセキュアが提供する次世代UTM「VCR(Vario Communicate Router)」を昨年夏に導入し、ネットワークアクセス・コントロールによる顧客のセキュリティの向上、さらにはネットワークの利便性向上を実現した。
豊富な機能を備えながら、SMBでも十分に手が届く価格体系となっているVCR。販売元・販社・ユーザ企業、以上の観点から合計3回にかけて紹介していく当特集だが、3回目となる本稿では、VCRを実際に導入した企業を取材し、その効果を検証する。
記事目次
第1回:今、SMBに人気の多機能UTM「VCR」とは?
第2回:次世代UTM「VCR」によるワンストップサービスを全国に展開
第3回:顧客のセキュリティ向上のためのネットワーク制御を次世代UTMで実現
事業の根幹であるネットワークのセキュリティをより高めるために
マイクロウェーブの事業領域は大きく5つ。1つ目がWeb事業支援であり、顧客企業のWebを活用した事業の活性化や売上の増大について企画の段階から支援を行っている。Web事業の企画からサイトのデザイン、事業を実現するための仕組みづくり、Webサイトの製作、そしてWebサーバへの搭載までのすべてのフェーズについてトータルでサービスを提供しているのが特徴だ。
こうしたWeb事業支援に伴うシステムの開発やSEによるサポートも同社の2つ目の事業領域となっている。
また、3つ目のマーケティング・テクノロジーでは、顧客のマーケティングについてのコンサルティング・サービスを提供。案件に応じてWeb支援と合わせたり、Webサイトのアナリティクスやプロモーションを行ったりとITと密接に結びついたマーケティング支援を行う。
4つ目のマルチデバイスソリューションでは、スマートフォンやタブレット用のアプリケーション開発を展開。そして5つ目の事業として、ホスティングサーバの提供などによる顧客のインフラ周りの支援を、サーバ監視まで含めて実施している。
こうした事業を展開するマイクロウェーブでは、各事業に関連したセキュリティ面の強化に乗り出した。
まずWeb事業支援やシステム開発・サポート、そしてホスティングサーバ・サービスにおいて、同社の社員の誰もが顧客のサーバにリモートアクセスできる環境の見直しを行った。当然、それまでも社員がサーバに自由に入れるわけではなかったが、ISO27001を取得していることもあり、さらなるセキュリティ強化を目指したのだ。
そこで同社が求めたのが、MACアドレスによるアクセス制限機能を持ったネットワーク機器だ。候補に挙がった2機種の中から最終的に同社が選定したのは、バリオセキュアが提供するユーザーベースの次世代UTM「VCR(Vario Communicate Router)」だ。
次世代UTM「VCR(Vario Communicate Router)」。VCRには、ファイアウォールをはじめとして、アプリケーションフィルタ、VPN/SSL VPN、アンチウィルス/アンチスパム、IPS(Intrusion Prevention System)、Webフィルタリング、帯域管理など、多くの機能が搭載されている |
マイクロウェーブのネットワーク・インフラを担当する、同社サーベリー事業部 ネットワークエンジニアの上原政巳氏は、「MACアドレスに基づいたアクセス管理ができることに加えて、設定から日々の運用までのすべてがGUIでできてしまうという点も魅力でした」と選択理由を説明する。
他社製品の場合、コマンド入力が必要な操作も多いため、将来上原氏が後任者へとネットワーク管理業務を引き継ぐことになった際に敷居が高くなってしまうことが懸念された。それに比べ、VCRであれば、直感的なGUIで操作が行えるだけでなく、マニュアルもわかりやすいことから、引き継ぎ時の説明もスムーズに行えると判断したのだ。
「バリオセキュアの技術担当者の方が導入時から親身に対応くれたのも助かりました。日本的な丁寧なサポートというのは実は非常に大切な要素だったのだと実感しました」と上原氏は語る
思わぬ副次効果も
VCRの本番稼働を開始したのは2013年8月。GUIでの作業であったため、設定作業はわずか数日で完了できたという。ただ、テスト運用は数カ月にわたりじっくりと行った。
「ネットワークは当社のビジネスの根幹ですから、慎重になり過ぎるということはありません。やはり、実際に接続してみないことにはわからないこともありますから。誰もいない早朝にオフィスに来てサーバへのアクセスを検証したりもしました」(上原氏)
VCR導入後、最大の目的であったリモートアクセスの制限が実現できたほか、思わぬ副次的な効果もあった。ネットワークを切り分けたことで負荷が分散され、始業後にメーラーやブラウザの動作が重くなるという問題を解消できたという。また、VCRのURLフィルタリング機能を利用することで、不適切なサイトへのアクセスもブロックできるようになった。
「ブロックすべきサイトはVCRの標準機能として登録されているので、それを実際に使いながら、業務上必要な社員にはアクセスを許可するといった使い方をしています。そうした新規の設定作業もGUIで楽に行えるので、システム管理の担当にも大きな負荷にはなりません」と上原氏は強調する。
これまで特にトラブルもなく順調に運用を続けている同社だが、今後は現在まだ使っていないレポートなどVCRの他の機能も活用していく構えだ。
マイクロウェーブの事例は、多くの企業にとって、ネットワーク担当者や情報セキュリティ担当者のリソースをいかに有効に活用すべきかのヒントとなるに違いない。
記事目次
第1回:今、SMBに人気の多機能UTM「VCR」とは?
第2回:次世代UTM「VCR」によるワンストップサービスを全国に展開
第3回:顧客のセキュリティ向上のためのネットワーク制御を次世代UTMで実現
参考記事SMBでも大企業並みのセキュリティを! "レイヤー8"対応の次世代UTM「VCR」
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