レッドハットは2月20日、データ仮想化基盤「Red Hat JBoss Data Virtualization 6.0」の提供を開始すると発表した。
レッドハット 常務執行役員 製品・ソリューション事業統括本部長の纐纈昌嗣氏 |
同製品は、JBoss Data Services Platform 5.3の後継バージョン。今回のバージョンアップを機に製品名を変更した。
発表会に登壇したレッドハット 常務執行役員 製品・ソリューション事業統括本部長の纐纈昌嗣氏は、名称変更の背景について「Data Servicesという名称では実態が伝わりづらくなっている」と説明。「さまざまなデータソースのデータをリアルタイムに統合し、仮想的なデータベースを作る製品であることからData Virtualizationという名称に変更した」と理由を語った。
JBoss Data Virtualizationは、DWHを作らないデータ統合ミドルウェアとして紹介されている。ETL(Extract/Transform/Load)製品と比べるとリアルタイムにデータを統合できるという利点があり、SOAと比べるとプロセスではなくデータレベルで統合を行うため開発が容易という特長がある。
アプリケーション向けのインタフェースとしては、JDBC、ODBC、SOAP、REST、ODataなどに対応。標準的な技術を使ってデータを呼び出すことができる。また、GUIのデザインツールを搭載しておりプログラミングが不要。データソース側の変更も必要なく、最短2カ月程度で仮想統合データベースを構築できるとという。
今回発表された新版では、接続先を大幅に拡充。SAP、Hadoop/Hive、JBoss Data Grid、MongoDBなどが追加されている。さらにダッシュボードも搭載し、統合データを可視化することが可能になっている。
販売戦略について説明したレッドハット 製品・ソリューション事業統括本部 ミドルウェア事業部長の岡下浩明氏は、BIツールとの連携、バッチ処理システムの代替、ビッグデータ市場における構造化データの統合などを挙げる。
特にBIツールに関しては紀陽銀行の事例を挙げ、顧客情報を起点としてデータの統合を約2.5ヶ月で実現したことなどを説明した。
JBoss Data Virtualizationの価格は、16コアStandardの価格で年間468万円~。2月20日より提供が開始されている。