NECは2月21日、ネットワーク上の通信データ(以下、トラフィック)を高度に制御する通信事業者向けのソリューション「Traffic Management Solution」(TMS)の強化を行い、同日から販売開始したと発表した。
今回の強化では、「トラフィック削減ソリューション」に、「QoE最大化ソリューション」、「トラフィック見える化ソリューション」および「TMS to SDNソリューション」を新たに追加。
QoE(Quality of Experienc)では、データ流量制御およびネットワーク特性に合わせ通信セッション(ユーザフロー)毎にシステムパラメータのチューニングを行うことにより、特に混雑エリア、混雑時間帯でのパケット詰まりやスループット低下によるQoE劣化を改善している。
導入前と比較して、コンテンツのダウンロード時間を約半分に短縮し、ユーザが体感する通信速度を2倍速化させた。
また、トラフィック状況に応じて送信量を変動させる予測型ペーシング技術を活用し、混雑地点でのビデオ再生中の停止回数を導入前と比較して90%以上減少させ、QoEを改善している。
そのほか、トラフィックの大部分を占める動画ファイルの圧縮およびキャッシュ、端末ディスプレイの表示性能に合わせた静止画圧縮、およびテキスト圧縮を組合せることで、30%以上のトラフィック削減を実現。無線基地局を増強することなしに、混雑エリアでの同時接続数を200%以上に増加させた。
トラフィック見える化では、トラフィック統計情報をリアルタイムに可視化することで、最適化効果やネットワーク運用状況など事業運営に必要な情報を的確に把握可能としている。また、トラフィック状況を見える化、分析することで最適なシステムパラメータを決定・設定する動的チューニング機能、QoE劣化時のみトラフィックを最適化する局所輻輳対策など、トラフィック情報の見える化を可能にした。
TMS to SDNソリューションでは、同ソリューションで見える化したトラフィック情報をSDNと連携させて、トラフィック傾向に応じ動的にネットワーク設備設計・再構成を行うことで効率的な設備運用を実現。
また、見える化した特定サービスのSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)情報を元にSDNとの連携によりネットワークを拡張し、SLAを向上させてユーザや特定サービス提供者の満足度向上を図っている。