キングソフトは2月20日、同社のAndroid向けメモリクリーンアップソフト「Clean Master」の悪質な広告が出回っていることに対する見解を発表した。
この問題は、Twitter向け画像投稿サイト「Twitpic」などを閲覧している際に、突然「警告!!! 容量が不足しています。今すぐクリーンアップしましょう」というメッセージが表示される広告が出るというもの。通常はAndroidブラウザからシステムのRAMメモリやストレージ容量の空き状況を確認する手立てはなく、ユーザーが心配する必要はない。しかし、一般的にPCやスマートフォンに関する知識に乏しいユーザーはこの広告を真に受けてしまう可能性があり、実際に広告を受けてインストールしたユーザーが"Yahoo!知恵袋"などに「Clean Masterというアプリは安全か」との質問を投稿している。
これに対してキングソフトとClean Masterの開発会社であるKSmobileは見解を発表し、「自社でそのような広告を出稿するように依頼したわけではない」と説明。
Clean Masterは「clickdealer」と「InMobi」「admob」と複数のアドネットワークに広告出稿を行なっているという。これらのアドネットワークは上位のアドネットワーク業者であり、その先に通じるそれより下位のアドネットワーク業者が今回のような悪質な広告を打っているのだという。
キングソフトでは本来、下記の画像で出稿依頼を行なっており、それ以外の広告は「弊社の意図しないもの」(キングソフト)だとしている。
以前より似たような指摘があり、それぞれ不当広告に対して対処してきたと言うが、現在も業者の摘発や悪質広告の根絶にはいたっていないという。その理由としては「アドネットワークの性質上、クリエイティブの内容をシステムでチェックすることができず、新たに発生する不正行為や配信先を完全に特定できない。これによって悪質な広告の取り下げまで大変時間を要している」としている。
同社によると、このような広告を見つけた場合は問い合わせフォームから広告が表示されたURLを送るよう呼びかけている。また、冒頭にも触れたとおり「容量が不足している」と表示されていても、広告にスマートフォンのシステム状況を把握する機能はない。くれぐれもリンクを踏まないように注意していただきたい。