シトリックス・システムズ・ジャパンは2月19日、1月からスタートしている同社2014年度の事業戦略を発表した。2014年度のテーマは「モバイルワークスペース」。デバイス管理やアプリ実行環境にとどまらず、従業員の働き方を変革するという視点から総合的なモバイルソリューションを提供していく。
シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役のマイケル・キング氏 |
発表会に登壇したシトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役のマイケル・キング氏は、最初に2013年度のハイライトを紹介。
「昨年度、ユーザー企業からはVDI(Virtual Desktop Infrastructure)に関する要望が多かったが、シトリックスではXenAppも含めた『デスクトップ仮想化』の観点でソリューションを提供してきた」と振り返り、XenAppが国内バーチャルユーザーセッション市場で、XenDesktop/XenClientが国内デスクトップバーチャライゼーション市場でそれぞれシェアNo.1(50.8%、31.3%)を獲得。国内バーチャルクライアントコンピューティング市場全体で見ても同社のソリューションが44.5%とNo.1の位置にあることを明かした。
さらにキング氏は2014年の展望について、「ユーザーの要望はモバイルにシフトしている。2014年は企業のモバイル環境が劇的に進化する年になる」との見解を示し、「ユーザー企業には、モバイルデバイスを使うことではなく、働き方そのものを変えることをゴールとして、人事制度のアドバイスも含めた提案を行っていく」と語った。
そうした環境を実現するうえでのキーワードとして同社が挙げるのが「モバイルワークスペース(Mobile Workspaces)」である。
キング氏は、その言葉の定義について「あらゆるネットワーク、クラウドを利用するあらゆるデバイスに対して、セキュアなアプリ、データ、サービスを一体化した環境」と説明。これを具現化するうえでは、「モバイルデバイスの管理のみならず、ネットワークやデータ管理、デスクトップ仮想化、さらにはメールやコラボレーションソフトウェアなども必要になる」とし、シトリックスがそれぞれに対応したポートフォリオを持ち、統合性の高い環境を容易に構築できることを強調した。
多様な製品群の中でも、モバイルワークスペース構築の中心製品として同社が挙げるのが、XenMobile、XenDesktop/XenApp、NetScalerの3製品である。特にモバイルデバイス管理製品のXenMobileと、デスクトップ仮想化製品のXenDesktop/XenAppに関しては親和性が高く、「XenDesktop/XenAppを導入済みの環境であれば、追加開発を一切行うことなくXenMobileも導入できる」という。企業インフラのモバイル対応を迅速に進められ、ワークスタイルの変革をスムーズに実現できることを改めて説明した。
発表会ではそのほかにも、ワークスタイルの変革はシトリックス自らが実践しており、日本テレワークアソシエーションからテレワーク推進賞を受賞したこと。さらにはボランティア活動にも積極的で、10のプロジェクトに209人の従業員が参加していることなどにも触れ、企業としての質をさらに高め、さまざまな顧客における「No.1のパートナー」を目指すことを宣言した。