サイボウズは2月13日、前期(2013年12月期)の決算を発表。これを受けて同社は2月17日、前期の業績と今期の事業方針に関する記者説明会を開催した。
同社の2013年12月期の連結決算は、売上高51億9,700万円(前期比25%増)、営業利益2億8,800万円(前期比41%減)、経常利益2億6,400万円(前期比46%減)、純利益1億8,800万円(前期比23%減)の増収減益となっている。
その要因を、サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏は、「第三四半期までは昨年を上回る営業利益があったが、その後、積極的な開発投資や広告宣伝投資を行ったため」と説明した。
なお、比較した2012年12月期は決算期を1月31日から12月31日に変更したため、11カ月分の業績となっている。
今期の通期予想は、売上高54億円(前期比4%増)、営業利益、経常利益、純利益はいずれも0円を予想。
営業利益、経常利益、純利益を0円とした理由を青野社長は、クラウド関連サービスの開発や広告宣伝にさらに積極的に投資を行うための説明した。そして同氏は、「日本から世界を代表するソフトウェアメーカーを出したいと思っている。そのために、世界で拡大したい。20年後、30年後を見据えて投資していく」と述べた。
海外に向けては、当面、米国と中国に展開していくという。
ただ、「いきなりアクセル全開でいくかといえば、そうではない。まだ、勝ちパターンが見えていないので、チャレンジしながら勝ちパターンを模索していく」と、慎重な姿勢を見せた。
同社では、中長期での事業拡大方針として、1.パッケージからクラウドサービスへ、2.中小企業向けから大企業向けへ、3.情報共有アプリから情報共有プラットフォームへ、4.日本国内から海外市場へ、という4つを順番に進めていくという。
その上で今期は、エコシステムの推進、大規模組織への提案強化、信頼性の強化を行っていくという。
特に力を入れていくのは、新パートナー拡大に向けたエコシステムの推進だ。そして同日には、ウフルとの協業を発表した。ウフルは、Salesforce、Amazon、マイクロソフト、Googleのサービスを中心としたクラウド事業を行っており、今回の協業により、この4つのサイボウズのKintoneが加わる。
ウフル 代表取締役社長 園田崇氏は、サイボウズと協業した理由を、顧客の日本のプラットフォームを利用したいという声に応えるためだと説明。
また、青野氏は競合製品の導入支援を手がけるウフルと協業した理由を、「1つのプラットフォームだけを使うのではなく、複数を適材適所で組み合わせて利用する時代になっている」と述べた。