A10ネットワークスは2月13日、DDoS対策専用セキュリティアプライアンス「A10 Thunder Threat Protection System (TPS)」シリーズを発表した。2月25日より受注を開始し、3月15日に提供を開始する予定。
同社ではこれまで、アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)のThunder ADCシリーズにDDoS防御機能を搭載してきた。今回のThunder TPSシリーズは、ADCシリーズのDDoS防御機能を基に、ネットワーク全体をDDoS攻撃から防御するスタンドアロンの製品ラインとして開発された。
ラインナップは、シングルXeonを搭載し、38Gbpsのスループットの「Thunder 4435 TPS」、シングルXeonを搭載し、77Gbpsのスループットの「Thunder 5435 TPS」、デュアルXeonを搭載し、155Gbpsのスループットの「Thunder 6435 TPS」の3機種がある。価格はいずれもオープン。
Thunder ADCシリーズは、Thunder ADCシリーズと同様に、A10独自のOS「ACOS(エーコス、Advanced Core Operating System)」を採用し、セキュリティ処理専用のハードウェア「FTA-3+(Flexible Traffic Accelerator)」を搭載することで最大155Gbpsの大容量スループットを実現した。
また、既存のネットワークアーキテクチャーに導入することや、サードパーティ製の攻撃検知システムと連携することもできるという。さらに、さまざまな導入構成に対応しており、インバウンド、アウトバウンドでの動作や、ルーティング、トランスペアレントモードでの動作が可能。
加えて、オープンなRESTful APIであるaXAPIの採用により、サードパーティ製や独自仕様の攻撃検知ソリューションと連携もできる。
同社はThunder TPSの発表により、本格的にセキュリティ市場に参入。A10ネットワークス 日本法人代表取締役社長 兼CEO、米A10 Networks APACジャパン担当ヴァイスプレジデントの小枝逸人氏は、「DDosSアタック攻撃はこの1年で21%増加し、DDosSが使う平均の帯域幅は7倍以上に増加しており、重大な課題になっている。そのため、セキュリティ市場に参入することにより、 我々は大きな成長を図れる。今後は、ACOSというOSが持っている柔軟性を最大限発揮して、最適な機能を市場に投入していく」と述べた。
また、同氏は今後は日本が中心になってアジアパシフィック市場に、積極的に展開していくことを表明。社内に、APJビジネス本部を設立したことを明らかにした。同氏は、「アジアにリソースを投下し、大きな飛躍を目指す。日本の成功事例をアジアに展開していく」と語った。
同社では、Thunder TPSを主に大規模ISP、IX、クラウドサービスプロバイダ、政府機関、金融等に販売していくという。