標的型攻撃に代表されるように、昨今、世間を騒がせているサイバー攻撃の手口はますます巧妙化してきている。例えば、ターゲットとする企業のセキュリティが強固だった場合には、攻撃者はよりセキュリティレベルが低い取引先にまず攻撃を仕掛けて踏み台にするといった例も数多く報告されている。
このような背景を受けて、大企業はもちろんのこと、中堅・中小企業にもセキュリティ強化が強く求められているが、コストやスタッフのスキルのほか、リソースに乏しいSMBではなかなか新規の対策を打ちづらいというのが本音だ。
そうしたなか、最小限のコストと手間、知識で大企業クラスの強固なセキュリティを実現できるソリューションとして注目されているのが、2012年11月よりバリオセキュアが提供している次世代UTM「VCR(Vario Communicate Router)」だ。
次世代UTM「VCR(Vario Communicate Router)」 |
VCRは、現在の企業に求められているさまざまなセキュリティ機能を搭載したオールインワンのセキュリティ・アプライアンス。豊富な機能を備えながら、SMBでも十分に手が届く価格体系となっているのが特徴だ。そこで今回、VCRがSMBと親和性が高い理由について販売元に聞いた。
記事目次
第1回:今、SMBに人気の多機能UTM「VCR」とは?
第2回:次世代UTM「VCR」によるワンストップサービスを全国に展開
第3回:顧客のセキュリティ向上のためのネットワーク制御を次世代UTMで実現
人気が高い豊富なログレポート・管理機能
バリオセキュア 営業本部 VCRグループ グループリーダー 飛世絵梨氏は、「おかげ様でVCRは全国のお客様にご利用いただいており、新規のお客さまについても順次出荷をしております。SMBのお客さまでも取引先は大企業というケースもあり、セキュリティを気にする取引先にもVCRを入れていれば納得していただけるような製品になっているのではと自負しております」と語る。
VCRには、ファイアウォールをはじめとして、アプリケーションフィルタ、VPN/SSL VPN、アンチウィルス/アンチスパム、IPS(Intrusion Prevention System)、Webフィルタリング、帯域管理など、多くの機能が搭載されている。さらに特徴的なのが、ユーザー認証機能によりユーザー個人を特定したうえで、その立場に合わせたアクセス権限の付与を行うユーザーベースの管理機能や豊富なログ管理/レポート機能だ。
「特にお客様からの注目度が高いのがログ管理/レポート機能です。社内で日々のネットワーク通信がどのように行われているのか、そしてどんな攻撃をブロックしたのかなどをリアルタイムで把握できる点が人気のようです」(飛世氏)
また、バリオセキュア VCRグループの早川智彰氏は、「ファイアウォールやアンチウィルス、アンチスパムといった対策はかなり以前から注目されており、SMBにも浸透した感があります。しかし、今はそうした個別のソリューションだけでは見えないかたちでユーザーのPCにマルウェアが侵入し、不正な通信を行うようなケースが増えています。そのため、どのPCから誰がどういった通信を行ったのかまで、しっかりと対策しなければいけなくなっているのです」と語る。
レポートの内容は、例えば攻撃ログについて言えば、どこから、どこを対象に、どういった種類の攻撃がされたのかなどといった情報であり、それらを視覚的に把握することができる。
ほかにも、社員がどういったWebを閲覧してどんなキーワードで検察したのかまでも把握することが可能だ。外部からの攻撃と内部からの通信の双方のログ/レポートを1つの画面で見ることができるため、運用管理も大幅に簡略化する。また、あらかじめ設定しておいた分野に関するレポートを定期的にメールで通知する機能も備えている。
「VCRでは、お客さまがレポートを見て、自社のどこに問題点があるのかを発見し、またそれに基づいて対策し、セキュリティを強化することが可能です」(飛世氏)
レポート内容から社内での不要なSNSの利用が疑われた場合、アプリケーションフィルタを使ってSNSの通信をブロックすることもできるが、SNSの使用が業務に役立つこともある。そうした際には、ユーザーベース管理機能によって、例えば広報担当者など一部のユーザーによるSNSの通信は許可したり、一般のユーザーであっても昼休みだけは認めたりといった、ユーザーごとの柔軟かつ詳細なアクセスコントロールが可能となる。
また、インターネットの通信量が多いユーザーに対して帯域を制限することで、やり方を変えるように促す使い方もカバーする。
「VCRを上手に活用していただき、仕事でのインターネット利用がより快適になればというのが私たちの願いです。それには、セキュリティ面での安心・安全も必要です。細かな点ですが、SNSなどの利用を認めた場合、万が一何があっても、誰がどの時間帯に発信していたのかを追えるようにしておくことは大きな安心につながります」と早川氏は強調する。
VCRがSMBに適した3つのポイント
VCRがSMBのネットワークセキュリティ・ソリューションとして最適だと思われる点は次のポイントだ。
まずは、価格面での優位性だ。セキュリティ予算を抑えざるを得ないSMBにとっても無理のない価格設定に加えて、5年間のライセンスパッケージが用意されている点は魅力だ。
次に、ユーザーフレンドリーなUI(ユーザー・インタフェース)だ。様々な設定やレポート表示がすべて1つの画面で行えるようになっており、細かいマニュアルを見なくても直感的に操作可能な日本語のUIが用意されている。
そして、コマンドレスでの管理が可能な点も大きなポイントだ。一般的なネットワーク機器では管理者がコマンドを覚えなければならないが、VCRの場合はコマンドを使わなくてもGUIでの操作ですべての管理が行える。そのため、大企業のように専門知識を有するスタッフがいないことの多いSMBであっても、大企業に匹敵する知識・ノウハウに基づいた管理が可能になるのだ。
導入時に必要となる設定作業は、キーボードでの入力が必要なのはIPアドレスくらいで、あとは画面のボタンやメニューをクリックしていくことで完了してしまう。その後の運用管理についても、アンチウィルスやアンチスパム、URLフィルタリングなどの情報は自動的に最新のものに更新されるため、ほとんど手をかける必要はない。
それでも運用管理面での不安を抱えるSMBは多い。そこでバリオセキュアでは、ITスタッフがいない、もしくは少ない企業のために、エンドユーザーからの質問をダイレクトに受け付ける窓口も設置。さらに、希望する企業には、パートナーである沖縄クロスヘッドによる設定から運用管理までのトータルなマネージドサービスも用意している。
「現在、さまざまな状況ごとに最適な対応法が書かれたマニュアルページなどを示すTIPSをサポートページ内に作成しているところです。パートナーやディストリビューターとともにナレッジを共有しながら、更にサポートを充実していきたいですね」と早川氏は語る。
なお、バリオセキュアでは、VCRのラインナップにWi-Fiモデルをこの4月にも新たに追加する予定だ。このモデルでは、北欧デザイナーとコラボレーションした機種を限定モデルとして販売することも予定しているという。
今後バリオセキュアでは、各パートナーやディストリビューターが、それぞれのターゲットとする企業の要件に最適となるプランを提供できるような環境を整えていくという。セキュリティ対策であと一歩が踏み出せない企業の経営者やIT担当者は、一度、同社や同社のパートナーに問い合わせてみてはいかがだろうか。
記事目次
第1回:今、SMBに人気の多機能UTM「VCR」とは?
第2回:次世代UTM「VCR」によるワンストップサービスを全国に展開
第3回:顧客のセキュリティ向上のためのネットワーク制御を次世代UTMで実現
参考記事SMBでも大企業並みのセキュリティを! "レイヤー8"対応の次世代UTM「VCR」
今あえて"所有"ビジネスへ、バリオセキュアが展開する新戦略のねらい