仏Dassault Systemsは、米カリフォルニア州サンディエゴで1月26日~1月30日(現地時間)まで年次イベント「SOLIDWORKS WORLD 2014(SWW2014)」を開催した。3日目のセッションでは、「SolidWorks 2015」の注目機能を一部先行公開した。

3DEXPERIENCE Platformでソーシャル&コレボレーティブを実現

ARAN J.KELLY氏

最大の注目は、SolidWorks 2015と製造業向けの開発プラットフォーム「3DEXPERIENCE Platform」とを統合したこと。SolidWorks 2015の開発状況は、セッションでの発表時点で特定顧客と連携して研究開発を行っている段階であるが、User Experience and Product Portfolio ManagementのARAN J.KELLY氏は「ソーシャルとコラボレーティブの機能と連携させることで、設計のあり方を抜本的に変えるものになる」と自信を見せた。

SolidWorks 2015は従来と同様にWindows環境にインストールして使うことに変わりはないが、同氏は「3DEXPERIENCE Platform上にあるさまざまなデータベースにアクセスしたり、作成したモデルのデータをクラウド上に保存することができる」と述べ、3DEXPERIENCE Platformを利用するためには追加料金がかかることも公表した。

"ストレスフリー"の使い勝手を実現する新機能を多数搭載

ほかに注力している点はユーザーエクスペリエンスの向上とKELLY氏は語る。利用者が自己流の操作を身に付けてしまい、複雑な形状を作るときなどに完成まで"遠回り"してしまうケースがある。厄介なのが、利用者はそういった操作をすることが習慣となっているのでストレスを感じていないことだ。同氏は「私たちは利用者の元に行き、実際にSolidWorksを使う様子を見せてもらう。利用者が1つの結果を得るために、同じ作業を何度も繰り返すのを見たとき、これは早急に改善をしなければいけないと感じた」という。

新機能のダイジェストはCADマンが紹介

SOLIDWORKS WORLDでは、SolidWorksの新機能を"ドラマ仕立て"で紹介が通例となっている。今年はバッドマンのパロディードラマ「CADMAN(CADマン)」を公開した。CADマンと相棒のリボンの2人がCADに関する事件を解決するために奮闘するコメディドラマだ。ここで紹介された機能の一部を紹介していこう。

SolidWorks 2015の発表が始まると、どこかで見たことがあるようなロゴがスクリーンに映し出され(左)、CADマンと相棒のリボンが登場した(右)

突然とある設計者のCADモデルが壊れてしまった……。そこからドラマが始まった

スピードコマンドは、誤った操作をしてモデルの一部が壊れてしまった場合などに活用できる機能。スピードコマンドを使うことで数回のクリックで修復できる。また、モデルの一部だけをレンダリングする機能を搭載するほか、同じサークルをコピーしてモデル上に等間隔に配置することができるようになった。

部分レンダリング(左)、サークルの等間隔の配置(右)

モデル作成の機能のほかにも、シミュレーションでは解析の進捗状況を見られるようになった。インスペクションリポートの作成では、寸法、GDP、トラスなどを自動的に抽出にも対応し、検査レポートの作成では標準のテンプレートとカスタムテンプレートを用いることができる。

モデルの解析でも進捗状況を確認できる(左)、インスペクションリポートの作成(右)

そのほか、複数あるレイヤーの中から一部を"隠して"印刷するシークレットレイヤー機能が追加された。機密性の高い情報を含むモデルを用紙に印刷して他人に見せる場合などに便利だという。