Texas Instruments(TI)は2月5日、SAS-3プロトコルを駆動可能なシグナルコンディショナ「DS125BR800A」を発表した。
同製品は、最新のSCSI標準の高速データレートをサポートするとともに、データセンターで使用されている既存の3/6GbpsのSASリンクレートとも互換性がある。また、第1~第3世代のPCIe(PCI Express)、1.5/3/6GbpsのSATAインタフェース標準もサポートする。柔軟性が高いことから、同製品1つで最大12.5Gbpsのデータレートの複数プロトコルへの対応が可能になる。さらに、単一方向で8チャネルを内蔵する他、リンクトレーニングプロトコルのシームレスな管理、現行のソリューションと比較して、消費電力を35%低減、および信号伝送距離の倍増を実現している。
この他の特徴としては、24dB入力イコライザと、12dB出力デエンファシスにより挿入損失を補償し、伝送距離をFR-4で最大30インチ、銅ケーブルで最大8mまで延長できる。また、単一電源動作をサポートし、消費電力をわずか65mW/チャネルに抑えるとともに、外部リファレンスクロックや電源フィルタを不要にし、コストを低減できる。さらに、ピン設定、SMBus経由、EEPROMからの直接ロードなどの複数の設定オプションが利用可能で、ソフトウェアのプログラミングを不要にするとともに、各製品のフロースルーピン配置により基板レイアウトを容易にできる。これらにより、高速企業サーバ、ストレージ、ルータ機器で挿入損失、ジッタ、反射、クロストークなどが原因で発生する信号障害の解消に寄与するとしている。
なお、パッケージは10mm×5.5mmサイズの54ピンQFN。価格は1000個受注時で7.45ドル。すでに量産出荷を開始している。また、評価モジュール「DS125BR800AEVM」を499ドルで供給中。基板のシグナルインテグリティの検証、製品のシグナルコンディショニング機能の評価に役立つEVMユーザーガイド(英語)とIBIS-AMIモデルも同梱している。