STMicroelectronicsは2月5日、32ビットマイコンの新しい製品ライン「STM32 Dynamic Efficiency」から「STM32F401」を発表した。
同製品は、高い電力効率と100DMIPS以上の処理能力を組み合わせており、バッテリ駆動時間を延長させ、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどにも対応する。スマート機器に搭載されているMEMSセンサの制御に最適で、IoT(Internet of Things)アプリケーションやフィールドバス対応の産業用機器に使用できる。
具体的には、独自のART Accelerator(プリフェッチキューおよびブランチキャッシュ)を採用している。これにより、内蔵フラッシュメモリからゼロウェイトステートでの実行を可能にし、84MHzで105DMIPS(285CoreMark)という高い性能が得られるのに加え、RUNモードでの消費電流を128μA/MHzまで低減できる。さらに、90nmプロセス技術により、パフォーマンスの向上と動作時消費電力の低減を実現すると同時に、電源電圧の動的なスケーリングによって動作電圧を最適化できる。そのため、性能要件をサポートするとともに、漏れ電流を最小限に抑えられる。STOPモード時の電流は、9μA(1.8V時)となっている。
「STM32F401」は、ARM Cortex-M4プロセッサをベースに、浮動小数点演算ユニット/DSP機能搭載の「STM32F4」シリーズを拡張した製品で、最大512KBの内蔵フラッシュメモリと96KBのSRAMを統合している。ペリフェラルには、1Mビット/秒のI2Cポート(3個)、USART(3個)、SPIポート(4個)、全二重I2Sオーディオインタフェース(2個)、USB2.0 OTG Full-Speedインタフェース、SDIOインタフェース、16チャネル 12ビット 2.4MSPSのA/Dコンバータ(ADC)、タイマ(最大10個)などが含まれている。
なお、価格は、384KBの内蔵フラッシュメモリ、96KBのSRAM、3.06mm角のWLCSP49パッケージを搭載した「STM32F401CDY6」が年間1万個購入時で約2.88ドル。すでに量産を開始している。