IDTは1月31日、従来品比で最大60%の消費電力削減と放熱性を実現しながら、3.3Vデバイスと同等のAC特性を持つ1.8VのLVDSクロックファンアウトバッファ「IDT 8P34S」ファミリを発表した。

同製品は、クロックまたはデータ信号の入力を受信し、システム内の複数のデバイスに高品質のクロックやデータ信号を提供するために、その信号を複製(ファンアウト)するもの。供給電圧が1.8Vと低いため、性能を損なうことなく消費電力を削減でき、基板上の密度を高められるとともに、エネルギーと冷却のコストを下げることができる。「8P34S」ファミリは、最大12の出力に対応可能で、高電圧バージョンとピン配置の互換性を有する。そのため、無線・有線通信、高度なコンピューティング、ネットワーキングといった用途で複雑・低ノイズ・高速なクロックを設計する際に最適となっている。

同ファミリは、2~12の差動出力に対応する「8P34S1102i/1204i/1106i/1208i/1212」から構成され、付随するRMS位相ノイズを39フェムト秒まで下げられること、および1.2GHzまでの周波数に対応することが特徴となっている。このバッファは、標準的なLVDSデバイスと完全な互換性があるため、最小限の基板フットプリントで簡単に導入できる。また、同社のクロック分配、クロック生成、シリアルスイッチングの各製品のポートフォリオを補完する。これには、Serial RapidIOのスイッチとブリッジの他、同社のRF-PLL、汎用周波数変換器(UFT)、FemtoClock、VersaClock、差動MEMS発振器の各ファミリが含まれている。

なお、パッケージは16~40ピンのVFQFN。現在、特定の顧客向けにサンプルを出荷中。

1.8VのLVDSクロックファンアウトバッファ「IDT 8P34S」ファミリ